日本共産党

2004年9月16日(木)「しんぶん赤旗」

食料自給率の向上 なぜ必要?


〈問い〉 食料自給率が低いことは大変なことですか?。安い輸入農産物が入ってくれば消費者は助かるのではないですか? (大阪・一読者)

〈答え〉 食料自給率が低いということは、国民の生存に欠かせない食料の多くを海外に頼ることを意味します。いま日本は、1億2600万国民のうち7600万人分の食料が外国まかせという状態です。こんな国は世界に例がありません。

 21世紀は人口増加や地球環境の悪化などで世界の食料が不足すると懸念されています。また食料・農産物の生産は天候に左右されるうえ、どの国も国内供給を第一にするため貿易に回る割合が小さく、国際相場は乱高下を繰り返しています。こうしたもとで食料の半分以上を外国に頼ることは、国民への食料供給の不安要因を大きくし、生存基盤を揺るがすものとならざるをえません。農産物の価格が安いことは消費者の利益の一つではありますが、外国産がいつまでも安い価格で安定して手に入る保障がないことも見ておく必要があります。

 加えて、輸入依存は食の安全をも損なわせます。輸出国での大規模生産や長距離輸送が大量の農薬や添加物の使用を余儀なくさせ、貿易を担う多国籍企業が利潤追求を第一として人間の健康を後回しにしているからです。BSE(牛海綿状脳症)、輸入野菜への農薬残留、遺伝子組み換え食品の横行など、一連の事態も食の海外依存と結びついて起こったものがほとんどです。さらに、当面安いからと食料の輸入を野放しにすることは国内農業の崩壊を促進することにもなります。それは、環境や国土を荒廃させ、国民の生活基盤を著しく悪化させ、長期的には消費者の利益を大きく損なうものといわざるをえません。政府の調査でも、わが国の将来の食料供給に消費者の9割が「大きな不安」を感じ、同じく9割が「自給率を大幅に引き上げるべき」と答えています。こうした大多数の消費者の願いにこたえることこそ大事だと考えています。(

 〔2004・9・16(木)〕



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