日本共産党

2004年9月14日(火)「しんぶん赤旗」

米軍が攻撃、100人超殺害

イラク全土

バグダッドで無差別爆撃

アラブ系テレビ局記者も死亡


 【カイロ=小泉大介】米軍が大規模軍事作戦を本格化したイラクでは十二日から十三日にかけ、全土で百人以上のイラク人が死亡し、戦争状態が熾烈(しれつ)を極めています。

 イラク中部ファルージャでは十三日午前、米軍が複数地域を空爆。現地の医師によれば、子どもや女性を含むイラク人十五人が死亡、二十人が負傷しました。米軍は十二日には首都バグダッドをはじめ、北部のタルアファルや西部のラマディなどでも、この数カ月で最も激しい攻撃を加えました。

 ファルージャでは十三日、数百人の住民が米軍の攻撃を逃れるため、同地から避難を開始。今年四月に七百人の市民が米軍によって虐殺されたファルージャの悲劇の再現の危険性がいよいよ高まっています。

 バグダッドでは十二日、イラク保健省によると三十七人のイラク人が死亡しました。中心部のハイファ通りでは、米軍は戦車からの銃撃に加え、武装ヘリから群衆に向け無差別爆撃を加え、子ども二人を含むイラク人十三人が死亡、六十一人が負傷しました。

 この攻撃では、現場を取材していたアラブ首長国連邦の衛星テレビ・アルアラビアのパレスチナ人記者が米軍ヘリの爆撃で死亡、イラク人カメラマン二人も負傷。この戦闘で米兵六人も負傷しました。

 バグダッドでは十二日、武装勢力側も、米大使館や暫定政府施設が連なる中心部付近で自動車爆弾による攻撃やロケット弾攻撃を繰り返しました。この攻撃で国際テロ組織アルカイダとの関係が指摘されるザルカウィ氏が率いる武装グループが犯行声明を出しました。

 今月四日以降、米軍が町を包囲し、住民への無差別攻撃をおこなっているタルアファルでは、米軍による激しい爆撃で、イラク保健省によればイラク人五十一人が死亡しました。

 イラク西部ラマディでも十二日、米軍が戦車と武装ヘリを動員して住宅地を攻撃。現地医療関係者によれば、子どもや女性を含むイラク人十人が死亡し、四十人が負傷しました。

 一方、バグダッド北方サマラでは自爆テロでイラク人五人が死亡、北部モスルでは武装勢力の攻撃でイラク警官五人が死亡、十人が負傷するなど混乱が広がっています。

 バグダッド南方のヒッラでは十二日、武装勢力の待ち伏せ攻撃で、ポーランド兵三人が死亡、三人が負傷しました。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp