日本共産党

2004年9月10日(金)「しんぶん赤旗」

政治資金報告書 違いくっきり

企業献金・助成金どっぷり “2大政党”

国民としっかり 共産党


 草の根で国民と結び付いて国民の浄財に依拠する日本共産党と「2大政党制」づくりのもとで企業・団体献金と政党助成金に依存を深める自民、民主両党――2003年政治資金収支報告書から、その対照が浮かびあがっています。


カネで政治買う

各党の企業・団体献金、政党助成金収入

 日本共産党が企業・団体献金を受け取らないのは、企業や団体に気がねなく国民の立場に立った活動をすすめる財政的保障です。企業・団体献金は、大きな資金力にものをいわせて政治をゆがめるものだからです。

 巨額献金で政治を左右することは「国民の有する参政権を実質的に侵害するおそれがある」(熊谷組訴訟での福井地裁判決)との司法判断も出ています。

 〇三年の企業・団体献金は七年ぶりに増加に転じました。そのうえ、財界団体の“総本山”である日本経団連は中止していた企業献金のあっせんを再開。しかも、消費税増税などの政策を“評価”して献金の基準とするという、文字通りカネで政治を買う動きを公然とすすめています。

 “二大政党”の側は、自民党は〇三年、企業・団体献金を三億円増やしています。民主党は、日本経団連の“通信簿式”献金にたいし、「日本の民主主義の大きな進歩」(菅直人前代表)と歓迎し、昨年七月には「政権交代への姿勢なども基準に入れてほしい」(岡田克也現代表)と献金をせがんでいます。

 企業・団体献金は、「廃止の方向に踏み切ることが適当だ」(細川護煕元首相)といったんは廃止がめざされたものです。ところが、自民党はこれにどっぷりつかり、民主党も新たにむらがろうとしています。

金権腐敗の温床

写真

政策評価に基づく企業・団体献金拡大 をすすめる日本経団連の奥田碩会長= 5月27日の会長再任後の記者会見

 企業・団体献金は金権腐敗の温床ともなっています。政治家個人への企業献金が二〇〇〇年に禁止されたのもそのためです。

 ところが、政党に対する企業・団体献金が温存されているため、脱法的なカネ集めが横行しているのが実態です。自民党旧橋本派の一億円ヤミ献金でクローズアップされているように、政党を経由して特定議員にカネを渡す「迂回(うかい)献金」が、事実上の政治家個人への企業・団体献金として問題になっています。

 また、政党支部も政治家個人の企業・団体献金の受け皿となり、献金額の増加に拍車をかけています。

 日歯連問題では、日歯連からの団体献金は自民党のみならず、民主党に二百十一万円、民主党議員十三人に千六百十五万円、公明党に四十万円、公明党議員九人に七百三十九万円が流れています(二〇〇〇年―〇二年)。企業・団体献金を受け取らない日本共産党だからこそ、与野党にカネをばらまいて政治をゆがめる構図全体を正面から追及することができます。

屋台骨むしばむ

9年半で各党が受け取った政党助成金総額

 国民一人あたり二百五十円の税金を原資にする政党助成金は、支持していない政党への献金を強制するものです。日本共産党が一貫して廃止を主張、みずから受け取りを拒否しているのは、思想・信条の自由を侵す憲法違反の制度だからです。

 他党は政党助成金を分け取りし、憲法違反の資金にまみれています。制度創設(一九九五年)以来の助成金総額は二千九百六十七億円(今年七月交付までの九年半分)にのぼります。

 〇三年分を見ても、民主党が収入の85%を政党助成金に頼っているのをはじめ、自民、社民両党も収入の半分以上の六割前後も依存しているのです。

 政党助成金は、まさに“麻薬”。政党の自立性を奪い、その屋台骨をむしばんでいます。

 実際、総選挙があった〇三年は、選挙関係費の九割以上が政党助成金で賄われました。民主党は人件費も光熱費も事務費も、軒なみ九割から全額、助成金頼み。自民、社民両党も経常経費の七割が助成金です。

 宮城県古川市議会は三月、「(政党助成金を)直ちに廃止し、不況に苦しんでいる国民の生活に役立つ施策への財源とすることを強く求める」との意見書を採択しました。こうした廃止意見書が一市四町二村にのぼるなど、強い批判が広がっています。


政党助成金

支出に占める比率 過去最高

民主党、収入の85%依存

02・03年の選挙関係費への政党助成金の支出

 二〇〇三年の各党本部の支出総額のうち、政党助成金からの支出が占める割合は55・8%にのぼり、一九九五年の政党助成金導入以後、最高となりました。本部、支部合計の支出額は、給付額(三百十七億円)を上回る三百九十億円にのぼり、各党とも前年に積み立てた基金を取り崩して総選挙に投入した実態が浮き彫りになっています。日本共産党は政党助成金を受け取っていません。

 各党本部の収入に占める政党助成金の割合は、民主党が84・6%で最高、前年の81・8%からさらに依存を深めました。自民党は59・9%(前年66・1%)を、社民党は61・1%(前年54・2%)を政党助成金に依存し、公明党は16・8%(前年18・9%)が政党助成金です。

 支出面では、選挙関係費、宣伝事業費が前年と比べ激増しました。本部・支部合計でみると、自民党では、選挙関係費が十九億六千万円と1044%増、民主党では四十一億七千万円と7756%増です。公明党も前年は計上しなかった選挙関係費を八億二千万円計上しました。各党本部の選挙関係費は93・0%が政党助成金からの支出となっています。

 選挙関係費として支出されたのは、公認料、推薦料のみならず、衆院選供託金まで含まれています。宣伝事業費では、民主党をみると十億円を超えるテレビCM放映料や五億円を超える新聞広告掲載料が支出されるなど、「二大政党制づくり」へ向けた選挙キャンペーンが巨額の政党助成金でまかなわれた実態が明らかです。

 野放図な使途も続いています。鉢花代、貸し植木代、カレンダー代、ジャンパー代から企画・演出料、会議弁当代、会議飲料代、タクシー代、宿泊代などにも支出されています。自動車税など税金を税金で支払う実態も相変わらずです。小泉純一郎首相の選挙区である自民党神奈川十一選挙区支部では、九万九千七百五十円が「ブラインド代」として支出されていました。新井正則元自民党衆院議員の買収事件では原資に政党助成金が使われましたが、政党助成金のこうした“つかみ金”の性格が事件の背景ともなったとみられます。

 支出の金額、目的、日付、支払先などを収支報告書に記載する必要がない人件費は、自民五十七億一千万円、民主十七億九千万円、公明十七億三千万円など、前年より十億八千万円増えて百五億七千万円にのぼりました。岡田克也民主党代表の民主党三重三区支部、藤井裕久幹事長の民主党神奈川十四区支部でも、政党助成金の全額を人件費に使用しています。国民からみて不明朗な資金の流れとなっています。



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