日本共産党

2004年9月10日(金)「しんぶん赤旗」

森派、年1億円支出記載せず

政治資金報告書

「もち代」「氷代」を5年間

小泉会長時も 規正法違反の疑い


 自民党森派の清和政策研究会(会長・森喜朗元首相)が、所属議員に配る「もち代」「氷代」の支出、年間一億円前後を少なくとも五年間にわたり、政治資金収支報告書に記載していなかったことが九日までの本紙調べでわかりました。森派は小泉首相、安倍幹事長の出身派閥。不記載は小泉首相が派閥会長時代にも続いており、政治資金規正法違反の疑いも浮上しています。


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森喜朗元首相

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小泉純一郎首相

 十日付で公表された二〇〇三年政治資金収支報告書をはじめ、本紙が原本を確認した一九九九年―二〇〇三年までの五年間、清和政策研究会の報告書には、「氷代」「もち代」にあたる記載がありません。

 しかし、関係者によると、森派は通常年二回、お盆と年末に「氷代」「もち代」として各二百万円程度を所属議員に配っています。対象は衆院当選三回生までと、参院の一回生。総額は年間一億円前後といいます。

 森派議員の政治資金を担当している秘書は「毎年もらっていたのは間違いない」と証言しました。森派関係者は、支出不記載について、本紙の取材に「記載されていなかったのは事実だ」と認めたうえで、「派閥のなかで問題を指摘する声はあったが幹部が是正しなかった」と語っています。

 政治資金規正法では、一件あたりの金額が五万円以上の支出については支出先や金額などを明記するように規定。違反した場合は、五年以下の禁固または百万円以下の罰金となっています。

 「もち代」「氷代」については、現在、自民党の旧橋本派(平成研究会)、亀井派(志帥会)、堀内派(新財政研究会)などでも政治活動費の寄付・交付金として所属議員の政治団体に支出したことを記載しています。こうしたなかで、森派はいっさい記載していないのが特徴です。

 日本歯科医師連盟からの一億円ヤミ献金が問題になっている自民党旧橋本派も、九四年から九九年までは「もち代」「氷代」を記載せず、ウソの繰越金を収支報告書に記載し続けていました(本紙八月二十九日付)。

 本紙は、清和政策研究会に事実関係を指摘したうえで、コメントを求めましたが、九日までに回答がありませんでした。


 清和政策研究会 一九九八年十二月、森喜朗元首相が三塚博元蔵相から引き継いだ派閥を清和政策研究会とし、会長に就任しました。小泉首相は二〇〇〇年四月から一年間会長で、〇一年の総裁選の際、派閥から離脱しました。細田博之官房長官なども所属しています。現在、自民党では旧橋本派につぐ議員数です。



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