日本共産党

2004年9月9日(木)「しんぶん赤旗」

「雁の寺」「飢餓海峡」の作家

水上勉さん死去


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 「雁の寺」「飢餓海峡」などの作品で知られる直木賞作家、水上勉(みずかみ・つとむ)さんが八日午前七時十六分、肺炎のため長野県東御市の仕事場で死去しました。八十五歳でした。自宅住所は公表していません。葬儀の日取りなどは未定。

 一九一九年、福井県大飯町の貧しい大工の二男として生まれました。九歳から京都の寺で修行生活をおくり、十七歳で還俗(げんぞく)。立命館大学国文科に学び中退。上京し、作家・宇野浩二に師事。初出版した『フライパンの歌』がベストセラーになりました。一九六一年、「雁の寺」で直木賞を受賞。「五番町夕霧楼」「越前竹人形」などで、人気作家となりました。

 七一年、「宇野浩二伝」で菊池寛賞、七五年に「一休」で谷崎潤一郎賞を受賞しました。戯曲でも活躍、「ブンナよ、木からおりてこい」は青年座が千百二十五回上演。文化座などが上演した「越後つついし親不知(おやしらず)」、前進座が初演した「釈迦内柩(ひつぎ)唄」など人気作を数多く残しました。八八年に芸術院会員。九八年には文化功労者に選ばれました。

 日本共産党の不破哲三議長とは心臓病をともに体験した縁から、お互いに「心友」と呼び、「同じ時代を生きてきた同志」としての交友を深めました。水上・不破対談の著作『一滴の力水』(光文社)を出版しました。

 京都市長選挙で日本共産党が推す候補に推薦メッセージを送り、九八年の参院選で日本共産党の法定ビラに登場し消費税減税政策を支持、二〇〇〇年総選挙では不破議長に応援メッセージを送りました。



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