2004年9月9日(木)「しんぶん赤旗」
【モスクワ=時事】ロシア北オセチア共和国ベスランの学校を襲撃した武装集団が、占拠中に体育館の人質らの様子をビデオカメラで撮影、そのビデオをロシアのNTVテレビが入手し、七日放映しました。
八十七秒間のビデオは占拠初日の一日に撮影されたとみられ、爆弾がつるされた体育館で千人近い人質がすし詰め状態にされた悲惨な様子が鮮明に映されています。
武装集団は黒のTシャツと黒のズボン、覆面姿で、女性とみられるメンバーは爆弾をベルトで体に縛っています。バスケットボールのゴールに爆弾が仕掛けられ、空間に爆弾をつるしたワイヤも見えます。
血が床を流れており、銃殺した遺体をそのまま放置していたもようです。人質は肩を寄せ合って静かに座っており、息苦しさが伝わってきます。中には上半身裸の人もいます。
「子どもをここに連れてくるな。向こうへ連れて行け」と犯人が強いなまりのロシア語で叫んでいるのが聞こえます。爆弾は体育館の床にも仕掛けられ、リーダーらしい男が爆破装置を持っているもよう。映像は犯人の一人が携帯電話を使うシーンで終わっています。