日本共産党

2004年9月4日(土)「しんぶん赤旗」

堀内総務会長も「2つの財布」

企業献金受け入れの“抜け道”

林国交副大臣ら9人


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林幹雄国土交通副大臣の二つ目の「財布」、自民党千葉県地域振興支部があった千葉県建設会館=千葉市

 企業献金受け入れの「財布」を二つ持っている自民党政治家が、政治資金取り扱いの責任者である麻生太郎総務相(衆院福岡8区)のほかにも堀内光雄総務会長(同山梨2区)など、少なくとも八人(落選含む)いることが本紙の調べでわかりました。政治資金規正法は、企業献金の受け入れ窓口を政党・政党支部に制限していますが、秘書などを会計責任者にして複数の政党支部をつくる抜け道が横行しているのが実態です。

 これは、各都道府県選管が公表している二〇〇二年分の政治資金収支報告書で判明したもの。

 麻生総務相の場合、自身が支部長の「自民党福岡県第八選挙区支部」のほかに、同支部事務担当者が会計責任者の「自民党福岡県窯業支部」を持ち、総計八千七百万円もの企業・団体献金を集めていました。

同じ場所に

 堀内総務会長は、「自民党山梨県第二選挙区支部」のほか、同じ場所に「自民党山梨県芙蓉会支部」を置き、第二選挙区支部の二倍、二千九百九十五万円の企業・団体献金を集めています。

 林幹雄国土交通副大臣(衆院千葉10区)は、「自民党千葉県第十選挙区支部」と「自民党千葉県地域振興支部」の両方の支部長に就任。あわせて二千万円を超す企業・団体献金を集めています。

 笹川尭衆院予算委員長(群馬2区)も、「自民党群馬県第二選挙区支部」のほか、同一場所に「自民党群馬県水域産業振興支部」を持ち、六百万円の企業・団体献金を集めています。水域産業振興支部の会計責任者は笹川氏の資金管理団体「笹川新生政策研究同志会」の会計責任者。

 また、群馬県選管に届け出のある「自民党ふるさと創生建設支部」は、佐田玄一郎自民党衆院総務委員長(比例北関東)の資金管理団体「赤城倶楽部」と同一場所。会計責任者は佐田氏が支部長の「自民党群馬県衆議院比例区第二支部」の会計責任者です。この支部は、比例区第二支部の九十倍近い四千五百九十四万円も集めています。

担当者も同じ

 八代英太元郵政相(衆院比例東京)にも、「自民党東京都第十二選挙区支部」のほか、「自民党東京都福祉支部」があります。二つの支部の事務担当者は同一人物。福祉支部は、四百九十五万円の企業・団体献金を集めています。

 伊吹文明元労相(衆院京都1区)は、「自民党京都府第一選挙区支部」が集めた企業・団体献金(四百万円)の十二倍近い企業・団体献金(四千七百九十三万円)を、同一場所にある「自民党京都府明風支部」で集めています。

 森田一元運輸相(衆院比例四国)は「自民党香川県衆議院比例区第一支部」のほか「自民党香川県西部商工開発支部」、相沢英之元経企庁長官(衆院鳥取2区で落選)は、「自民党鳥取県第二選挙区支部」とは別に、資金管理団体「新英会」と同じ名前の「自民党鳥取県新英会」という政党支部を持っていました。

 この手法を使っているのは総務相、総務会長、副大臣、閣僚経験者など。自民党の根深い金権体質を示しています。



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