日本共産党

2004年9月3日(金)「しんぶん赤旗」

迂回で組織的疑惑隠し

自民党本部が資金“洗浄”

日歯連献金でも裏付け


 日本歯科医師連盟(日歯連)↓自民党の政治資金団体・国民政治協会↓自民党本部↓自民議員と流れた献金が実は最初から自民議員あてだったという事例が相次いで浮上しています。国民政治協会と自民党本部を介在させて疑惑の痕跡を消してしまうという、自民党で長年使われた迂回(うかい)献金に東京地検特捜部がメスを入れるかどうかいま問われています。


旧橋本派1億円でも画策

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迂回献金疑惑が指摘されている国民政治協会の日歯連あて 領収書(2001年11月20日付)。日歯連は領収書欄外に番号 をつけて真の献金先を帳簿に記録していました。この領収書 には4人あての献金を示す4つの数字が記載されています

 旧橋本派「平成研究会」への一億円ヤミ献金事件で逮捕された同派の会計責任者は「次年度にまたがる形で、国民政治協会から数回に分けて領収書を出す」と日歯連側に連絡していたことが関係者の話でわかりました。

 このヤミ献金は、二〇〇一年七月の参院選公示直前、日歯連前会長臼田貞夫容疑者(73)、同前常任理事内田裕丈容疑者(63)が、高級料亭で橋本龍太郎元首相、青木幹雄参院議員会長、野中広務元幹事長に会い、元首相に小切手で手渡したもの。内田容疑者はその後自民党事務局長に面会し、「国民政治協会から領収書が出せないか」と依頼、「いいですよ」との回答を得たといいます。

 日歯連内部のメモには、国民政治協会が数回に分けて領収書を出すとの記載もありました。しかし、この手法では、いったん一億円を国民政治協会にもどす必要があり、結局、入金は実行されず領収書は発行されませんでしたが、迂回献金で処理する話が進行していたことを裏付けています。

迂回献金の構図

 日歯連から国民政治協会に流れた計十五億四千万円(二〇〇〇―〇二年)のうち、〇一年十一月十四日と二十日(領収書別掲)の計四千万円が迂回献金だったことも日歯連側の資料などで判明しました。

 実際の相手は、元厚生労働政務官で日歯連の働きかけを受けて歯科診療報酬改定を働きかけた佐藤勉自民党衆院議員や、同党現職閣僚、二人の同党元幹事長ら五人。このうち、佐藤議員には歯科診療報酬での働きに対する見返りだった疑いが出ています。

 迂回献金は、自民党の長年にわたる組織的疑惑隠しの手法でした。元大臣の秘書は本紙に「一企業から多額献金をもらうと目立つ。職務権限にかかわる企業献金はわいろ性が出てくるので迂回献金にした」「企業に国民政治協会に寄付してもらい、党本部から組織活動費や支部交付金などの名目で受け取っていた」と証言。「自民党本部の事務局幹部と相談して進める」と語っています。

 検察当局は自民党の組織的疑惑隠しともいえる迂回献金にこれまで手をつけませんでしたが、今回も立件を見送ればその存在意義が厳しく問われます。



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