日本共産党

2004年9月2日(木)「しんぶん赤旗」

三菱自欠陥隠し

ふそう前会長が指示

初公判検察冒陳 リコール回避で虚偽報告


 二○○二年一月、横浜市で母子三人が死傷した三菱自動車(○三年一月、三菱ふそうトラック・バスを分社)製トレーラーのタイヤ脱落事故で、国に虚偽の報告をしたとして、道路運送車両法違反の罪に問われた三菱ふそう前会長の宇佐美隆被告(64)ら三被告と法人としての三菱自の初公判が一日、横浜簡裁(井上広道裁判官)で開かれました。同被告らは起訴事実を否認しました。


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横浜簡裁に入る宇佐美隆被告(右から2人目)=1日、横浜市中区

 ほかに起訴されたのは、三菱自元常務花輪亮男被告(63)、同社元執行役員越川忠被告(61)。

 検察側の冒頭陳述によると、宇佐美被告らは横浜事故後、原因の究明と安全対策の検討を国交省から指示され、結果の報告を求められました。しかし、花輪被告らは原因を調査せず「整備不良が原因」と主張することを決定。当時の三菱自社長(故人)や宇佐美被告らの了解を得て、社内で「マルT(Tはトラックの意味)対策本部会議」を四回開き、事故原因となった車軸部品「ハブ」の欠陥隠ぺいを協議しました。

 花輪被告は、社内の技術者からハブ摩耗量〇・五ミリ以上を交換基準とした場合、ハブの交換率が40%にも達するという報告を受けました。同被告は、交換率を下げてリコールを回避するため、技術的裏付けがないのに、ハブの交換基準を摩耗量〇・八ミリに引き上げさせ、越川被告も了承。交換基準の引き上げの結果、交換率は16・2%になりましたが、ハブの交換が多かったことを重視した国交省幹部はリコールを強く示唆。ところが、宇佐美被告らはリコール回避を同社幹部に指示。国交省に対し、うその説明をしました。



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