2004年8月30日(月)「しんぶん赤旗」
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第二十七回原子力発電問題全国シンポジウムが二十八、二十九の両日、「瀬戸内海と原発」をメーンテーマに、日本科学者会議と同実行委員会の主催で、山口県柳井市のアクティブやないで開き、両日合わせて約百五十人が参加しました。
記念講演として、中嶋篤之助元中央大学教授が「日本の原子力開発の五十年」、清水修二福島大学教授が「中国電力島根原発の現地では」と題して講演しました。
中嶋氏は、日本では一九五四年から本格的な研究が開始されたが、多くの事故が発生し、その安全性に問題があることを指摘。そのうえで、「原子力安全保安院が自然エネルギー庁のなかにあり、何の権限もないのはおかしい。多くの権限を持っていないと安全は守れない」と政府の対応を批判しました。
清水氏は、NHKで放映された島根原発の特別番組のビデオを上映しながら、原発建設にたいする地元住民の様子などを紹介しました。
「島根1号、2号の建設経験から、3号の建設について自治体も商業工業者も冷めた受け止めをしており、住民も地域振興への展望も持っていない。これにたいして政府は、補助金システムをより強化することしか策をもっていない」と強調しました。
シンポジウムでは、「上関原子力発電所建設に反対する」特別決議を全員で確認しました。