2004年8月30日(月)「しんぶん赤旗」
自民党の安倍晋三幹事長は二十九日午前、フジテレビの番組に出演し、沖縄県宜野湾市で起きた米軍ヘリ墜落事故で米軍が沖縄県警の現場検証を拒否した問題について、「もっと日本の警察が前面に出る形にするべきだった。初動においてしっかりと米側と話をしてもらいたかった」とのべ、政府の対応に問題があったことを認めました。
番組では、小泉純一郎首相が夏休みを理由に稲嶺恵一沖縄県知事とすぐに面会しなかったことについて、コメンテーターの竹村健一氏らが「日本にいたんだから、さっとやれたはずだ」「小泉首相の初動の動きが鈍かった」と批判。司会者からも「(首相は)アメリカと同じ方向を向いているときは行動は早いが、アメリカにものを申すときには非常に遅い」との声があがり、首相の対応に批判が集中しました。
安倍氏は、「なんでもかんでも首相がやらなければならないということではない」と弁明にまわりました。
茂木敏充沖縄北方担当相は同じ番組で、「現場の対応でまずかったことは確実にある」とのべつつ、日米地位協定の改定については、「(運用の)改善で十分」と主張。一方、出演した稲嶺恵一沖縄県知事は、「あくまでも(地位協定の)見直しを要求する」とのべました。
安倍氏は、「(運用の)改善でいまの事態を打開しなければならないが、改善に米側が協力しないようであれば、地位協定そのものも改定することも考えざるをえない」とのべました。
また、安倍氏は、普天間基地について、「辺野古に移転することは決めているから、地域住民にもなるべく理解いただけるよう国として責任をもってやっていく」とのべ、同県名護市辺野古沖への新基地建設の方針にかわりがないとしました。