日本共産党

2004年8月29日(日)「しんぶん赤旗」

自民旧橋本派に「虚偽の繰越金」

「もち代」「氷代」記載せず

関係者「問題になったが是正されず」

本紙調べ


 日本歯科医師連盟(日歯連)からの一億円ヤミ献金が問題になっている自民党旧橋本派の「平成研究会」で、所属議員に配る「もち代」などの支出を長年記載せず、実際と繰越金が違う政治資金収支報告書を提出し続けてきたことが関係者の話などでわかりました。東京地検特捜部が捜査している一億円ヤミ献金以外にも政治資金規正法違反の疑いが浮上しました。


写真
平成研究会が入るビル=東京・千代田区永田町

政治資金規正法違反の疑い

 自民党関係者によると、旧橋本派では通常年二回、お盆と年末にいわゆる「氷代」「もち代」が所属議員に配られています。

 実際、二〇〇二年の平成研究会の収支報告書によると、これにあたる支出が政治活動費のなかの「寄付・交付金」として記載され、所属議員の政治団体に年二回各百万円―二百万円、総計三億八百万円を支出しています。〇一年もほぼ同様に計二億八千九百万円を支出しています。

 ところが、一九九四年から九九年までは「寄付・交付金」項目の支出自体がゼロで、「氷代」「もち代」に該当する支出はありません。〇〇年は、年末の「もち代」とみられる一億五千九百万円だけ。しかし、この間も、実際には「氷代」「もち代」は支出されていました。この期間、九三年には約二億六千万円だった繰越額は報告書の上で急伸。現在約二十億円にのぼっています。

 自民党関係者は「今は『もち代』などの支出を記載するようになったが、その前は記載していなかった」と証言。「繰越金は実際とは違っている。そのことは問題にはなったが、是正されずにきた」と認めました。

 また、この関係者は「繰越金が二十億円あれば、日歯連からの一億円に手をつける必要はないが、実際にはそんなにない。(二〇〇一年七月の)日歯連からの一億円の一部は年末のもち代にあてることになった」と話しています。

 平成研は長年にわたって虚偽の政治資金収支報告を続けた疑いがあり、会計責任者の責任だけではすまない深刻な問題を抱えています。



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