2004年8月28日(土)「しんぶん赤旗」
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日本歯科医師会(日歯)の汚職事件で、収賄罪に問われた中央社会保険医療協議会(中医協)元委員で元社会保険庁長官下村健被告(74)の初公判が二十七日、東京地裁(大熊一之裁判長)で開かれ、同被告は「相違ございません」と起訴事実を認めました。
検察側は冒頭陳述で、同被告がわいろ受領後、中医協で「有益な材料があれば再検討の余地がある」と日歯側に好意的な発言をし、「かかりつけ初診料」(か初診料)の適用要件が緩和されたと指摘しました。罪状認否で下村被告は「任期が長く、診療報酬にも一番詳しく、期待されながら信頼を損ない申し訳ない」と謝罪しました。
冒頭陳述によると、下村被告は都内の料亭で四回接待を受け、日歯前会長臼田貞夫被告(73)らの要望に対し、「歯科医の経営難には中医協委員も責任がある」「か初診の要件には疑問を持っていた」と応じました。緩和後には「使いやすくしたから、どんどん使って」と話したといいます。
下村被告は帰り際に封筒入りの現金を受領、飲食や旅行に使いました。