日本共産党

2004年8月21日(土)「しんぶん赤旗」

米の「一国主義」批判

多国間主義、国連憲章の重要性を強調

非同盟諸国外相会議が閉幕


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非同盟諸国外相会議で演説する南アフリカのムベキ大統領=19日、ダーバン(小玉純一撮影)

 【ダーバン=小玉純一】十七日から南アフリカのダーバンで開かれていた第十四回非同盟諸国外相会議は十九日、世界平和や公正な経済秩序など非同盟運動の立場を確認した最終文書、「多国間主義に関するダーバン宣言」、「パレスチナ問題に関する宣言」を採択して閉幕しました。会議では、ブッシュ米政権の単独行動主義に対する厳しい批判が出され、各国の話し合いを重視する「多国間主義」と国連を中心とする国際秩序が強調されました。

 「ダーバン宣言」は、「一国主義の増大に強い懸念を表明」して、名指しはしないもののイラク侵略戦争など米国の覇権主義を批判し、それに対抗する「多国間主義を進める非同盟運動の決意」を表明。「世界の平和と安全の維持における国連憲章の重要性と国際法の諸原理」を再確認しました。

 「パレスチナ問題に関する宣言」は、パレスチナ人の民族自決権を擁護。イスラエルが建設する分離壁を国際法違反とした六月の国際司法裁判所の勧告的意見を歓迎し、壁の建設中止・解体をイスラエルに求めた七月の国連総会決議を支持して、イスラエルにその実行を求めました。

 この日は、開催国南アのムベキ大統領が演説。頻発するアフリカの紛争の解決を重視するとともに、より公正な世界秩序をめざす非同盟運動の役割を強調しました。

 同大統領は、国連が決めた世界的な貧困の解決や保健・教育状態の改善は「先進国から途上国への富の移動なしに不可能」だが、「大国は自らこたえようとしない」「非同盟運動を除いてだれがそれをなしえるだろう」と述べ、途上国人民の立場を反映するため国連、世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関の改革を訴えました。

 会議は、次回非同盟諸国首脳会議を二〇〇六年九月にキューバで開催すると決定しました。


解説

政治的違い超え一致点確認

 第十四回非同盟外相会議は「二十一世紀における多極化世界に向けた挑戦」がテーマでした。それはこの間の世界情勢の反映です。マレーシアのクアラルンプールで開かれた非同盟首脳会議から十八カ月。今回の会議の特徴は、米ブッシュ政権のイラク侵略と占領が国際秩序をゆがめるものとして批判され、国連を無視した一国覇権主義の重大性をいっそう明らかにしたことにあります。

 開催国南アフリカのシェー・ファンダメルバ副外相は、演説でこのテーマにふれ、「植民地時代を思い出させる行動が再現され、一国主義の傾向はより悪化した」との認識を示したうえで、「国連総会が多極化世界における唯一の民主的なフォーラムであり、それを今日的に意義あるものにするのがわれわれの義務だ」として国連の中心役割の強化を前面に押し出しました。こうした論点は、今日の国際社会における非同盟運動の基軸を明確にしました。

 百十六もの非同盟運動加盟国は、政治的に文字通り多様な政府で構成されています。米国のかいらいとも批判されているイラク暫定政府も参加しています。実際、米国の戦争と占領を事実上正当化する立場からの見解表明もあり、加盟国の状況は複雑でした。

 しかし、多様な評価と政治的な状況を超えて三日間の作業を通じ、最終文書は「国際法侵害」の「一国主義を拒否する」と明記しました。しかも通常の採択文書だけでなく「ダーバン宣言」を発表することで、多国間主義の擁護とそのための国連の役割を重視するという非同盟運動の態度表明を特別に行いました。ここには一国覇権主義に立ち向かおうとする非同盟運動の一致した立場が見てとれます。

 (ダーバン=小玉純 一)



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