日本共産党

2004年8月18日(水)「しんぶん赤旗」

配管破れ、蒸気噴出

福島・新地火電 激しく減肉、美浜と類似


 東京電力と東北電力が共同出資する相馬共同火力発電(福島県相馬市)は十七日、同県新地町の新地火力発電所2号機(石炭火力、百万キロワット)のタービン建屋で十五日午後、高圧・高温の熱水を通す給水加熱器ドレン配管が破れ、蒸気が噴出する事故が起きたと発表しました。けが人はありませんでした。

 事故が起きたのは、美浜原発3号機の配管破損事故を受け、経済産業省が電力各社に調査、報告を求めた対象部分でした。同社は2号機の運転を停止し、事故原因を調べています。

 配管は美浜原発3号機の配管と同じ炭素鋼製で、やはり激しく減肉していました。2号機は営業運転開始から九年。同社は十年をめどに点検することにしていたといい、来月の定期点検で、破損部分も点検する予定でした。

 同社によると、破損したのは、ボイラーに戻る復水の再加熱に利用された約二○○度の熱水を通す給水加熱器ドレン配管。長さ約十八センチ、幅九センチの穴が開き、蒸気となって噴出していました。破損部分は十・三ミリの肉厚が約一・四ミリに減肉していました。

 破損場所は、流量調整弁の下流部分。三十センチの内径が弁の部分で十五センチに狭まるため、水流に乱れが生じ、減肉が起こりやすいとされます。

 同社は同日、地元自治体と経産省東北経済産業局に事故を届けました。その後、経産省が調査、報告を求めた部分に該当していることが分かったため、発表したといいます。

 同社は一九八一年、東京電力と東北電力が共同出資して設立。新地1号機は九四年七月、2号機は九五年七月から営業運転を開始しました。

 船橋信之同発電所副所長は「九、十年で配管が破れるとは想定していなかった」と話しています。



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