2004年8月10日(火)「しんぶん赤旗」
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労働組合・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)主催のシンポジウム「プロ野球の明日を考える会」が9日、東京都内で開かれ、球団合併や再編に向かう球界をさまざまな角度から話し合いました。パネリストは、広瀬一郎(元Jリーグ経営諮問委員)、玉木正之(スポーツジャーナリスト)、二宮清純(同)ら5人に、選手会側から古田会長ら3人を加えた8人。
討論では、球団オーナーらによって性急に進められる球団合併や1リーグ制への動きについて、「選手やファンを含めて納得できる議論がプロセスには必要」(広瀬)、「球団数が少なくなればマーケットは縮小し底辺が枯れてくる」(二宮)、「球団経営が何十億円と赤字だといいながら、いっさい証拠を示さない」(玉木)などと、批判が相次ぎました。
また、最高責任者であるコミッショナーのふがいなさや、経営者側の横暴を追及しないマスコミの報道にも厳しい意見がありました。さらにストライキの是非や、将来の球界のあり方まで話はおよびました。
場内のファンも「いまのプロ野球はファンの声や意見を聞いてもらえない。もっと意思表示する場がほしい」などと発言し、近鉄の選手からは「何のために野球をやっているのかなと思うときがある」という率直な声がありました。
「明日を考える会」は毎年オフに開かれていますが、5回目となる今回は激動の情勢をうけ異例のシーズン中開催。一般公募のファン150人を含め、選手、審判員ら220人が集いました。