日本共産党

2004年8月8日(日)「しんぶん赤旗」

米軍、3日連続ナジャフ攻撃

戦闘、首都や南部に拡大

占領開始以来最大規模に

イラク


 【カイロ=小泉大介】イラク中南部ナジャフでの米軍とイスラム教シーア派指導者ムクタダ・サドル師を支持する民兵との間での戦闘は三日目の七日も継続。占領当局任命のナジャフ県知事の退去命令にもかかわらず同市内には数百人の民兵がとどまっています。戦闘は首都バグダッドや南部各地にも広がり、米軍による占領開始以来最大の規模となっています。

 米軍は六日、ナジャフでの五、六両日の戦闘で、民兵三百人が死亡したと発表。これに対しサドル師側は死者数を三十六人としています。同地の病院関係者によると、六日までに民間人十九人が死亡、六十八人が負傷しました。

 ナジャフでは六日には米軍がF16戦闘機や武装ヘリも動員して民兵が拠点とする共同墓地などに激しい攻撃を加えました。

 民兵側によると、この攻撃で同市で最も神聖な「アリ廟(びょう)」も損壊されました。

 バグダッド北東部のサドルシティーは、七日も米軍と民兵が衝突、医療関係者によると、三日間でイラク人四十二人が死亡、二百人以上が負傷。南部ナシリヤでは六日以降イタリア軍と民兵との戦闘でイラク人六人が死亡、十三人が負傷、南部バスラでは英軍と民兵の戦闘でイラク人五人が死亡、三人が負傷しました。

 米軍側の死傷者も増え、五日にはナジャフで海兵隊員二人、六日にはナジャフで海兵隊員二人、バグダッドで兵士一人が死亡しています。

 サドル師の代理人は六日、ナジャフ近郊のクーファの集団礼拝で「米国はわれわれの敵であり、イラク人民の敵である。米国との協力は受け入れない」とのサドル師のメッセージを代読。同師は、一日のキリスト教会爆破テロや、武装勢力による相次ぐ外国人人質事件を厳しく非難しました。


解説

戦闘拡大 国民大会議にも影響

 イラク中南部ナジャフで五日にぼっ発した米軍とシーア派指導者ムクタダ・サドル師を支持する民兵との衝突は、六日までに首都バグダッドや各地に拡大、八月中旬に開催予定の国民大会議など今後の政治日程にも影響を与えかねない事態となっています。

 今回の衝突は、六月末の「主権移譲」にもかかわらず、実質的な占領が継続していることへのイラク国民の怒りの根深さとともに、あくまで軍事力で抵抗を抑え込もうとする、暴力と虐殺を本質とした占領米軍の姿を浮き彫りにしています。

 ナジャフでは四月、五月にも、占領当局がサドル師影響下の週刊紙を発禁処分にしたことなどをきっかけに衝突が発生し、二カ月間でイラク人数百人が死亡したとされます。その後、六月四日に、米軍と民兵間で停戦が成立、イラク治安部隊が市内に展開し、散発的な衝突はありながらも、小康状態が続いてきました。

 この間、占領に強硬に反発していたサドル師は六月十一日、「暫定政府を支持する」と発言、占領当局の影響力の強い同政府への協力姿勢を打ち出したこともありました。

 しかし、米軍がファルージャ爆撃など一方的軍事作戦を続け、暫定政府もこの作戦に協力するなどの事態が頻発。サドル師は七月二十三日、数千人の支持者にたいし、「イラクが占領されているかぎり、われわれの苦しみはつづく。われわれはイラクが占領から解放されることを望む。占領には屈服しない」と訴えました。また七月に開催が予定されていた、暫定政府の監督機関選出のための国民大会議への不参加も表明しました。

 このような状況のもとで、ナジャフ駐留部隊を「なぐりこみ」部隊である海兵隊に代えた米軍は八月二日、ナジャフのサドル師宅を包囲、ロケット弾で攻撃。民兵六人が負傷したほか、民間人四人が死傷しました。

 五日にぼっ発した今回の戦闘では、米軍と民兵双方が「先に攻撃したのは相手側だ」と主張しており、真相は不明です。しかしこれまでの経過を見れば、米軍による占領が、事態悪化の根本にあるのは明白です。

 米軍の攻撃で市民に犠牲が広がっていることに関し、暫定政府のジャファリ副大統領も、「市民の殺害はどのようなことがあっても正当化されない。新たなイラクの建設は市民の保護と対話の促進によらなければならない」(英BBC放送とのインタビュー)と非難しています。

 (カイロ=小泉大介)



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