日本共産党

2004年8月4日(水)「しんぶん赤旗」

テレビ朝日系「報道ステーション」も驚いた

民主党岡田代表 “米国発”の改憲発言


 「憲法を改正して海外での武力行使を可能にすべきだ」―岡田克也・民主党代表の“米国発”の改憲発言が大きな波紋を呼んでいます。これに呼応するかのように、自民党からは改憲のための自民・民主の「大連立」(中川秀直国対委員長)を求める声があがっています。一方で、二日放映のテレビ朝日系「報道ステーション」では古舘伊知郎キャスターらが平和原則との関係をただしました。当初は「派兵拡大に歯止めをかける」ものと岡田発言を評価した「朝日」も三日付社説で懸念を表明。「東京」二日付も疑義を呈しています。「報道ステーション」でのやりとりを中心に岡田発言の意味するものを改めて考えてみました。

「海外での武力行使を可能に」

平和原則の核心覆す

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民主党の参院選向けマニフェスト(政権構想)。「国連が進める平和創造のための活動」への「参加」はうたっているものの、「武力行使」については一言もありません

 「日本は六十年間、戦後徹底的にどういわれようとも、外国にいって人を殺さないということを守ってきた。そこのロマンはいっさい無視ですか」

 「報道ステーション」で、古舘氏が強調したのは、「海外での武力行使を許さない」という憲法九条の核心を岡田発言が平然と覆そうとしていることへの異議申し立てでした。

 「外国にいって人を殺すことを、岡田さんは容認したのかと受け取る人は多い」と古舘氏が食い下がっても、岡田氏は「国連とはそういう組織なんです」と顔色一つ変えませんでした。

 岡田氏は、イラクによるクウェート侵略への対処を例に「世界が汗を流し、血を流すときに、日本もきちんとそれに参加すべきなんだ」とのべました。“日本も多国籍軍に参加して血を流せ”―湾岸戦争(一九九一年)当時、アメリカから盛んにいわれた議論をおうむ返しに、憲法改悪を合理化しようというのです。

 しかし、「朝日」社説が指摘するように「海外で武力行使をしないという現憲法の大原則を変えることは決して許されない。そんな改憲を国民も望んではいない」のです。

マニフェストにも書いてない

“後出しじゃんけん”だ

 「(参院選では)自衛隊の(イラク)派遣反対で、本音はいまごろ武力行使といった。これは後出し(じゃんけん)だと思う人がいる」

 古舘氏は、参院選での民主党の宣伝との落差をこう指摘しました。

 岡田氏は「今回の発言は新しい発言ではない。私がいろんなメディアを通じて何回ものべてきたことだ」と反論しました。たしかに、今年の憲法記念日の特集番組でも「憲法を改正し、国連決議にもとづき、多国籍軍か国連軍に参加し、場合によっては武力行使を認める、できると書いた方がいい」と発言しています。

 しかし、参院選で民主党が自衛隊の多国籍軍参加反対を前面に出して、海外派兵反対を印象づけたのも事実。岡田氏自身、憲法問題では日本記者クラブの党首討論(六月二十一日)で「武力行使に対して現憲法がとる慎重な姿勢は引き続き維持すべきだ」とトーンを落としていました。

 「国民は一国平和主義に慣れ親しんでいるから簡単じゃないと思うが、政治が国民と対話しながら、そういう方向に向かって進んでいかなければいけない」

 「報道ステーション」で、こうのべる岡田氏に、コメンテーターの加藤千洋・朝日新聞編集委員は「それなら、ついこの前、参院選をやったんだから、そこで問いかけたらよかったんじゃないか」とのべました。「マニフェスト(政権綱領)にも書いてありますよ」と弁明する岡田氏には、古舘氏が「マニフェストには一言も書いていないですよ。国連決議のもとに、武力行使ということは」とたたみかけました。

 岡田氏は「憲法調査会、憲法調査会の中間報告に書いてある」と慌てて言い訳するだけでした。

自民は改憲へ「大連立」よびかけ

これが二大政党制か

 「イギリスの野党党首がきたらアメリカの閣僚は会う、だから日本も同じだとアメリカ政府の人間はいってくれた。つまり、二大政党だということを、向こうは前提に扱ってくれている」

 岡田氏は、こう胸をはってみせました。しかし、武力行使を可能にする憲法改悪という発言の重大性から浮かび上がったのは、国民の意に反する「二大政党」の害悪でした。

 自民党の中川国対委員長は、岡田発言に呼応するように、改憲の「大連立」について発言。「本当に憲法改正の政治的意思があれば、自民、公明、民主の大連立的対応しかない」とけん制しました。

 岡田氏へのインタビューの最後に、古舘氏はため息まじりに、こうのべました。「二大政党制というのは、そういうものですか。憲法改正にいってしまう。共産党と社民党だけですか。護憲とか、古くさいロマンをいわなければならないのは」


憲法第九条

 (1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 (2)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


民主党・岡田代表の改憲発言(要旨)

 岡田克也民主党代表が七月二十九日、米国ワシントンでおこなった講演のうち、憲法問題にかんする発言要旨は次の通りです。

 憲法改正論議がいま行われているが、平和主義の精神は重要であり、今後とも堅持すべきと考えている。日本には集団的自衛権の行使を広く認め、自衛隊が米軍との共同した軍事力行使を世界中で行えるようにすべきとの意見もあるが、私は反対である。しかし、私は従来の野党のような護憲論者ではない。憲法を改正して国連安保理の明確な決議がある場合に、日本の海外における武力行使を可能にし、世界の平和維持に日本も積極的に貢献すべきとの立場に立つ。



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