2004年8月1日(日)「しんぶん赤旗」
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千五百人の聴衆を前に、日産自動車のカルロス・ゴーン社長に車の欠陥を直談判した人がいます。東京都立川市で不動産業を営む内山誠二さん(58)です。ゴーン社長に嘆願書を渡し、再調査を約束させたという内山さんから「こちら社会部」に訴えが寄せられました。
事故を起こしたのは高級車「グロリア」(三〇〇〇t一九九九年七月登録)。二〇〇〇年十一月七日のことでした。駐車場でエンジン始動直後に、エンジンの冷却液を冷却するラジエターファンの羽根七枚が粉々に破裂しました。
昨年十二月四日、ゴーン社長の講演会が、地元商工会議所の主催で開催されました。ゴーン社長は、参加者から日産再建を賛美され、得意の絶頂にありました。その雰囲気を一変させたのが内山さんの訴えです。
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「完全に前兆はあった。しかし、日産側は異常なしと判断、その直後に破裂しました」「ゴーンさん。人の命をどう思っているのですか。解決に向けて努力願いたい」
内山さんは、英語を交え気迫を込めて言いました。
ゴーン社長は「私どもの政策は品質の透明性を高めることだ。調査させてください」と約束しました。
内山さんによると同車は、新車購入時から路上故障がたえませんでした。半年でエンジン始動時に「ギリギリ」という異音が発生、調べた販売店は「異常ない。安心して乗ってください」との答えでした。
しかし破裂は、その直後に起きました。現場に駆けつけた販売店の工場長らは、「エンジンルームに動物が入っていたのではないか」と口走りました。内山さんは「どこに血がついている。タコでもいたのか」と反論しました。
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検査しても依然、「原因は不明」でした。お客様相談室に車の調査を要求すると「新車へ交換します。現金も全額お返しします」という条件を提示してきました。
しかし、内山さんは「原因を特定されず同じような体験をした人が他にもいるのではないか」と声をあげました。
その後、内山さんは東京・銀座の日産自動車本社へ破損部品を持参し訴えますが、相手にされず講演会での訴えを決意したのでした。
聴衆を前に調査を約束したゴーン社長から連絡はありませんでした。今年に入って、一月八日、本社のお客様相談室から最終調査結果が届きました。
ファンの破損原因は「外部からの異物等の混入による衝撃力による可能性が高いものと考えられますが特定はできません」とありました。(1)走行中のはね石(2)エンジン始動時に小動物が干渉した(3)工場組み付け工程時ファンを落下させた――と推察しています。
内山さんは「納得できない。はね石や小動物がエンジンルームに入り込むなら、その構造自体が問題でないのか」と憤ります。
同社お客様相談室は「お客さまとの対応は社長から任されている。会社としては報告書でお客さまに説明している」としています。
遠藤寿人記者