日本共産党

2004年7月30日(金)「しんぶん赤旗」

「私の一生は台無し」

日本軍戦争犯罪訴訟 中国人遺族が証言

控訴審結審


 戦争中、日本軍が行った残虐な行為による被害者たちが日本政府に謝罪と補償を求めて提訴している中国人戦争被害賠償請求事件の一つ、「731部隊・南京大虐殺・無差別爆撃訴訟」の控訴審が二十九日、東京高裁で結審しました。

 この日は、毒ガス兵器や細菌兵器の開発を進めるために人体実験を繰り返した731部隊に父親を殺された王亦兵(ワン・イー・ピン)さんが来日、意見陳述。元731部隊軍属の篠塚良雄さんの証言ビデオが上映されました。

 十二歳のとき、父親といとこを日本の憲兵隊に連行されたという王さんは、涙で声をつまらせながら、残された母親が重い肉体労働に従事し、みずからは進学をあきらめざるをえず、「私の一生は台無しになった」と証言。「法の尊厳、被害者の人権を守り、公正な判決を下し、中国と日本両国の友好に役立つように望む」と陳述を結びました。

 篠塚さんは、自分たちがつくった細菌の殺傷力を人体実験したことを詳述。証言の動機について「人間が人間をあのように殺害し、ヤミからヤミへ葬ることがどうしても許すことができない」とのべ、日本政府、裁判所に対して、「被害者の立場に立って、この問題をみてほしい。そうでないと、正しいことはわからない」と訴えました。

 弁護団は、日本政府が一貫して証拠隠滅行為を行ってきたことを糾弾。提訴という権利行使をできなかったことの責めを被害者らに負わせることは許されないとして、公正な判決を改めて求めました。


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