日本共産党

2004年7月21日(水)「しんぶん赤旗」

ハンナン牛肉偽装

補助金の不正認識

初公判で食肉卸元社長ら


 国のBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)対策事業を悪用した牛肉偽装事件で、食肉大手「ハンナン」元会長浅田満被告(65)=詐欺などの罪で起訴=らと共謀したとして、補助金適正化法違反の罪に問われた大証二部上場の食肉卸会社「シンワ」元社長若本淳二(57)と元常務西橋和良(47)両被告の初公判が二十日、大阪地裁(佐藤洋幸裁判官)でありました。

 両被告は「(補助金の取得に)不正に使われることを知りつつ、浅田被告に売却して申し訳ありません」と起訴事実を認めました。西橋被告の弁護人は「肉を売却しただけで、具体的な不正工作は知らなかった」とほう助の適用を主張しました。

 検察側は冒頭陳述で、若本、西橋両被告は、シンワがBSE騒動で大量の在庫を抱えて、浅田被告に買い取りを相談したと指摘。同被告は「(対象外の)加工品はキロ三百円やったら買ったる。加工品でも何でもええからあるだけ送らせろ」と部下に指示したことを明らかにしました。

 起訴状によると、両被告は二○○一年十一月、浅田被告を通じ、対象外の輸入加工牛肉を含む計七百四十八トンの買い取りを申請。農畜産業振興事業団(当時)から助成金約四億二千万円を不正に受け取りました。

 若本被告の弁護人は閉廷後に会見し、起訴事実の約四億二千万円のうち、シンワが実際に受け取った約五千三百万円を農畜産業振興機構に近く返還することを表明。「二部上場の会社としての社会的責任を果たし、きちっと事件の清算をしたい」と話しました。


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