2004年7月21日(水)「しんぶん赤旗」
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日本歯科医師連盟(日歯連)をめぐる資金流用事件で逮捕された前自民党衆院議員吉田幸弘容疑者(42)が昨年秋の衆院選で立候補した際、愛知県議らに資金が提供された疑惑で、日歯連から愛知県歯科医師連盟側に千二百万円が送金されていたことが二十日までの関係者の話で分かりました。
県歯連会長は吉田容疑者陣営の選対幹部を務めており、東京地検特捜部は公選法違反の疑いがあるとみて捜査しており、地元議員からの聴取を継続しています。
関係者によると、吉田容疑者の陣営は昨年十一月の衆院選で、地元の愛知県議三人と名古屋市議二人の計五人に対し、一人当たり二百万円を渡していた疑いが持たれています。
県歯連幹部らが昨年九月から十月にかけ、議員を直接訪問。当初は小切手で渡しましたが、これを回収して改めて現金で渡しました。痕跡が残るのを危険と判断したとみられます。
これに先立ち、日歯連は愛知県歯科医師会長の求めに応じ、県歯連側に千二百万円を送金していました。配った資金は計一千万円で、吉田容疑者が残る二百万円を使った疑いもあります。
市議の一人は取材に、昨年十月に二百万円の提供を受けたことを認め、ある県議側も二百万円の受領を認めた上で「政治資金として処理した」としています。
吉田容疑者は一九九六年に新進党から立候補して初当選し、二○○○年には自民党から比例東海ブロックで当選。昨年十一月の総選挙では、愛知三区に移り、民主党の候補に約三万三千票差で敗れました。