2004年7月21日(水)「しんぶん赤旗」
【マナグア(ニカラグア)=菅原啓】中米ニカラグアで一九七九年、ソモサ独裁政権を打倒したサンディニスタ革命勝利二十五周年を記念する集会が開かれ、約二十万人が参加しました。会場となった首都マナグアの信仰広場は全国から集まった参加者の掲げるサンディニスタ民族解放戦線党(FSLN)の赤と黒の旗で埋め尽くされました。
独裁反対の広範な人民のたたかいを背景に成立した革命政権は、米国による経済封鎖、反革命武装勢力の侵略に抗して、大学まで無償の教育制度、医療の無料化、農地改革などを実現しました。経済困難が続く中で実施された一九九〇年の大統領選で、与党FSLNが敗北しました。革命は挫折したものの、FSLNは依然として同国最大の野党勢力として勢力を維持。首都マナグアをはじめ多くの都市で地方政権を担っています。
FSLNのダニエル・オルテガ書記長・元大統領は、二十五年前の勝利が、中南米各国の軍事独裁政権打倒のたたかいを励まし、民主主義をめざす運動への貢献という点で大きな意味をもっていたことを強調。「米国に押し付けられた戦争をたたかわなければならなかったが、革命政権は国民の食糧を保障し、食糧不足は一度もなかった」と革命当時をふりかえるとともに、九〇年以降の歴代親米政権が、自由放任の経済政策をすすめ、国民の栄養不足が広がっていることを厳しく批判しました。
オルテガ書記長は、失業や生活苦にあえぐ「国民の声にこたえる政府が求められている」と指摘。今年十一月に実施される地方選挙での躍進、参加型民主主義を中心とした社会改革を実現する決意を表明しました。
集会には、中南米を中心に多数の政党、社会団体の代表が来賓として出席。日本共産党からは、菅原啓「しんぶん赤旗」メキシコ市駐在記者が参加しました。