日本共産党

2004年7月21日(水)「しんぶん赤旗」

武器輸出三原則見直せ

経団連 宇宙の軍事利用も迫る


 日本経団連は二十日、「今後の防衛力整備のあり方について」とする意見書を発表しました。この中で、武器輸出を全面禁止している日本の武器輸出三原則および宇宙の平和利用原則の見直しを求めています。

 この意見書は、「防衛大綱」の策定作業をすすめている小泉純一郎首相の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・荒木浩東京電力顧問)の議論にあわせて、軍需産業の立場から基本的な考え方を示したもの。自衛隊の活動に対して、「経済大国として国力に応じた国際貢献が求められている」として、海外派兵型への改造を求めています。

 武器輸出三原則については現在、日米共同で進めている「ミサイル防衛」に関する共同技術研究が、共同開発、生産段階に入った場合、米国などに輸出するさいの「障害」になっています。

 意見書は「一律の禁止ではなく、わが国の国益に沿った形で輸出管理、技術交流、投資のあり方を再検討する必要がある」とのべ、武器輸出三原則の見直しを求めています。

 宇宙利用に関しては、一九六九年の国会決議で日本の宇宙開発・利用を非軍事で平和の目的に限るとしています。

 これに対し意見書は「(国際的には)侵略や攻撃を目的としない防衛目的での利用は、国際安全保障上、むしろ有用であるとの解釈がとられ」ていることを紹介。「宇宙利用の重要性の増大を鑑(かんが)みれば、わが国でも、早急に宇宙の平和利用を国際的な解釈と整合させる必要がある」と強調。国是を転換し、宇宙の軍事利用を迫るものです。


武器輸出三原則

 日本の武器輸出を全面的に禁止している原則のこと。一九六七年に佐藤首相(当時)が、(1)共産諸国(2)国連決議による武器禁輸対象国(3)国際紛争当事国―への武器輸出を認めないと表明。七六年には、三原則以外の対象地域にも武器輸出を慎むとして、この原則が確立しました。憲法の平和主義の原則を具体化したものです。

 宇宙の平和利用原則 一九六九年五月の国会決議および宇宙開発事業団法で、日本の宇宙開発・利用を平和の目的に限るとしています。一方、アメリカは、宇宙の資源を活用すべきとの考え方から積極的に宇宙の軍事利用を推進しています。


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