日本共産党

2004年7月8日(木)「しんぶん赤旗」

憲法9条が国際的に注目されているの?


 〈問い〉 2000年に開かれた国連ミレニアム・フォーラムで、日本の憲法9条を世界に広げようと提案されたと知りました。どんな会議だったのですか。憲法9条が国際的にも注目されているのですか?(秋田 一読者)

 〈答え〉 「ミレニアム・フォーラム」は、2000年5月、106カ国1350人が参加して、国連本部で開かれました。同年九月のミレニアム・サミット、国連ミレニアム総会とともに、アナン国連事務総長の提案で開催された一連のミレニアム会議のNGO(非政府組織)版で、貧困ぼく滅基金の創設、多国籍企業向けの行動規範、軍備の凍結および小火器密売対策など、幅広い行動を提案しました。

 このうちの「平和・安全保障及び軍縮テーマグループの最終報告書」では「平和への人間の権利に関する共同宣言の提案及び、世界人権宣言に『平和への権利』をふくめる」「すべての国が日本国憲法9条にのべられている戦争放棄の原則を自国の憲法において採択する」という提案がとりあげられました。

 このミレニアム・フォーラムの一年前の1999年5月には、オランダで「ハーグ平和アピール市民社会会議」が開かれました。そこでは、「公正な世界秩序のための十の基本原則」を採択し、冒頭の第一原則に「各国議会は、日本国憲法9条のように、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」とうたいました。

 このように世界の平和NGOでは、日本国憲法9条が、世界がめざすべき平和な未来への普遍的なシンボルとして広がりつつあります。

 アメリカでは、米国憲法に憲法9条の精神を織り込むことをめざす「憲法9条の会」が生まれています。オハイオ大学名誉教授のオーバービー氏は「日本の憲法9条は『戦争の支配』に取って代わる『法の支配』という全人類の力強い理想と知恵の声明だ」と言っています。EU(ヨーロッパ連合)憲法に「戦争放棄」条項を書き込もうという運動も起きています。憲法9条は「時代遅れ」どころか、国際的にも、いよいよ光り注目されるときです。(

 〔2004・7・8(木)〕


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