日本共産党

2004年7月5日(月)「しんぶん赤旗」

イラク

米軍が民間人を殺害

戦車が民家に突如砲撃


 【カイロ=小泉大介】「主権移譲」後も治安悪化の続くイラクでは米軍がイラク民間人を砲撃で死亡させる一方、ティクリットやバクバ、ダウルなどイラク中部各地で三日、フセイン元大統領を裁判にかけることに抗議し同元大統領を支持するデモが行われました。北部のモスルでも四日、同様のデモが行われました。

 イラク紙アルラフィダイン四日付(電子版)によると、バグダッド西方約六十キロの町ハリディヤでは三日朝、米軍の戦車が、民家の前に座っていたイラク人に対し突如砲撃を加え、五人が死亡しました。イラク駐留米軍は三日、バグダッド南部で自動車爆弾の製造工場などを捜索し、爆弾搭載用の車やライフル、銃弾などを発見、五十一人のイラク人を米軍への攻撃や爆発事件に関与した疑いで拘束したと発表しました。

 一方、首都バグダッド北方約五十キロのバクバでは四日、イラク国家警備隊の基地に車で突っ込む自爆攻撃があり、イラク人三人が死亡、一人が負傷しました。犠牲者らは、隊員応募のため基地前に並んでいたイラク人とみられます。

 フセイン裁判に抗議する三日のデモには各都市でそれぞれ数百人が参加、「裁判は違法だ」「われわれはサダムを愛している」などと叫びました。

 また、アンサル・アルスンナを名乗る武装組織は三日、インターネットを通して、誘拐していた米海兵隊員を殺害したとする声明を発表しました。しかし、同組織は四日、「われわれの名を語った声明は根拠がない」と殺害を否定しました。殺害されたとされる海兵隊員はレバノン系米国人のワセフ・アリ・ハサン氏。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラが六月二十七日、目隠しされ武装勢力に剣を突きつけられる同氏の映像を放映していました。

 主権移譲後の情勢悪化に対し暫定政府のサレハ副首相は三日、特定地域に対する非常事態法が間もなく発表されると表明しましたが、暫定政府は治安対策として、拘束イラク人の恩赦など、反政府感情の軽減策も検討しているとされます。


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