日本共産党

2004年6月29日(火)「しんぶん赤旗」

外食業界団体がぐるみ選挙

自民・入沢元林野庁長官を支援

本紙指摘に HPから名簿削除


 社団法人「日本フードサービス協会」(横川竟会長)が自民党参院選比例代表候補である元林野庁長官、入沢肇参院議員のポスターや後援会名簿を協会のホームページに掲載するなど「協会」ぐるみで選挙支援をしていることが本紙の調べでわかりました。同協会は事業に国の補助金を受ける公益法人で、その支援活動に批判が高まっています。

 同協会は吉野家、ジョナサン、すかいらーくなどが参加する外食産業の業界団体。一九七四年に設立され、正会員として四百三十社が参加しています。

 入沢氏は農水省構造改善局長、林野庁長官を歴任し、九八年に自由党から参院議員に初当選。保守党を経て、今回自民党から立候補します。同党では、農水省OB二人の現職が立候補するため、入沢氏は二十三年も前に務めた初代外食産業対策室長の肩書をフル活用し、外食産業に食い込もうとしています。

 フードサービス協会の横川会長は、入沢氏のホームページで「外食産業のあらゆる要望の受け入れ窓口」「協会の政治対策活動における指南役」「外食産業の育ての親…唯一の代弁者」などと持ち上げています。

 協会のホームページでは「『入沢はじむ後援会』名簿作成と『支援ポスター』提出のお願いについて」「従業員の皆様への支援要請文の雛(ひな)型」「支援ポスター」などを掲載。署名用紙やポスターに「社団法人日本フードサービス協会」の名前を入れ、ぐるみ選挙をあおっています。

 フードサービス協会は「(ホームページの掲載内容については)入沢氏秘書とも相談したので問題ないと思う」としていましたが、二十一日以降、本紙の指摘も受けて支援署名などについて「誤解を招くおそれがあるので削除した」としています。同協会は二〇〇三年度、システム事業開発に国から三千万円の補助金を受けています。

公益法人基準の趣旨から逸脱

 公益法人の指導監督基準(一九九六年閣議決定)では「公益法人は不特定多数の者の利益の実現を目的とするもの」とし、「後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの」については「適当でない」と明記しており、選挙支援はこの趣旨から明らかに逸脱するものです。しかし、農水省は、公益法人の「目的」そのものに入沢支援を明記していないことを理由に「問題ない」などと開き直っています。


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