日本共産党

2004年6月27日(日)「しんぶん赤旗」

非核化 後戻りできない

米朝対立深刻だが縮小

6カ国協議 王毅外務次官が会見


 【北京=菊池敏也】第三回六カ国協議で議長を務めた王毅・中国外務次官は二十六日、北京市内のホテルで記者会見し、「朝鮮半島の非核化という目標はもう後戻りできない」と今回の協議の成果を強調し、米国と北朝鮮の対立については「深刻だが縮小に向かいつつある」と述べました。

 王次官は「今協議の成功は各国の努力のたまもので、中国は平和的話し合いを促進する役割を果たした」と各国の役割を称賛しました。協議の様子については、「穏やかな雰囲気で、内容が充実していた。討論も深まり、実務的だった。相互尊重と平等な協議の精神を示していた」と特徴づけました。

 成果としては(1)六カ国がそれぞれ提案を出した(2)核凍結の実施とそれに対応した措置が核計画放棄の「第一段階」であるとの認識で一致した(3)段階的、「言葉には言葉、行動には行動」の原則で核問題を平和的に解決することに同意した(4)作業部会の「概念文書」を採択し職責と運営方式を確定した(5)次回の日程を決め協議が継続することを示した―の五つをあげました。

 同次官は、北朝鮮が「透明性のある核兵器計画の放棄」を提起し、核凍結を核計画放棄の「第一段階」とし、検証の受け入れを表明したことを評価。米国に対しても、初めて核問題解決の全面的提案を示したと評価しました。

 その一方で、「関係国間の相互信頼が欠如し、平和的協議の基礎がしっかりしていない」と米朝間の対立を指摘。(1)核廃棄の範囲と方法(2)核凍結の範囲と対応措置―について「意見の対立は深刻だが、今回の協議では食い違いが縮小に向かいつつあることが示された」と述べました。特に濃縮ウラン問題をあげて「今後の協議で説明し、はっきりさせるよう希望する」と要求しました。

 また、「実質的な討議が深まれば、さまざまな困難と曲折が生じるのは避けられない」として、粘り強く協議を続ける必要性を強調しました。


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