2004年6月22日(火)「しんぶん赤旗」
東京・狛江市長選(二十日投・開票)で、現職で日本共産党員の矢野ゆたか氏(57)が、自民、公明、民主、生活者ネット、連合東京が推す河西信美氏(前都議)を破り、三選を果たしました。支持する党派間の力関係では一対八ともいえる基礎的な力量の差をはね返しての勝利は、幅広い市民と日本共産党の共同の力で新しい政治を生み出す、希望ある道をあらためて示しました。東京都・長沢宏幸記者
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「無党派の市民と共産党と幅広い市民が立ち上がった結果です。正義は必ず勝ちます」。二十日夜、矢野氏の勝利会見に駆けつけた「現市政を応援する生協組合員(有志)・消費者の会」の瀬堀純子さんはこう話しました。
二〇〇三年の総選挙での、狛江市での各党の比例票を見れば、自民・公明・民主各党合計三万一千四十六、日本共産党四千二百六十七。生活者ネットも入れれば八対一ともいえる大差も乗り越え、政党連合対市民のたたかいでの勝利に、市民の喜びの声があがっています。
とばくで巨額の借金をつくり、失そうした前市長から、「市民が誇りを持てる新しい市政を」という声にこたえて市政を引き継いだ矢野市長の二期八年間。その実績は抜群です。
市民そっちのけで利権にまみれ、借金づけとなった前市政から、清潔、公正で開かれた市政をすすめ、税金の使い方を土木優先からくらし優先に切り替えました。財政再建へのレールを敷き、介護施設の増設、市民参加と情報公開、乳幼児医療費無料化の拡充や全小中学校への図書館司書配置など、まさに「市民が主人公」と胸をはれる市政に前進しました。
選挙戦最終盤には石原慎太郎都知事が応援に入りました。自民党の伊藤達也衆院議員・内閣官房副大臣、公明党の浜四津敏子代表代行、藤井富雄常任顧問、民主党の海江田万里、小宮山洋子両衆院議員らが連日のように狛江市入りし、業界・支持団体のしめ付けもすさまじく、矢野市政転覆へ政党の組織力を使った激烈な動きを見せました。
今回の選挙で、相手陣営は八年前の市民に冷たい市政への逆戻りを狙い、民主党都議を候補者にかつぎ、自民、公明が実動部隊の中心に座りました。
参院選を目前にしたこの時期に、自民・公明と民主が野合を組んだことについて、自民党も「共産党打倒のための苦肉の選択」(自民党都連の狛江市長選対策本部ニュース)というほど。第一声でも、公明党都議が「共産党市長追放」を叫びました。
矢野市政の実績にけちのつけようがない自公民連合は、「共産党だからだめ」という古くさい反共の論理をくりかえしました。
市民に向けては、借金を倍増させた前市政の予算に賛成した自らの責任はほおかむりし、本来、国の借金だが帳簿上、市財政に移ってきている分(臨時財政対策債)までも矢野市長の責任にすり替えて、「市財政は破たんする」とごまかしの矢野市政攻撃を展開しました。
矢野市長は、選挙戦を通じて、「市民の団結の力」を力をこめて訴えました。
“市民の宝”ともいえる矢野市政を転覆しようと、ごまかしの「財政」攻撃を行う相手陣営に対して、「豊かな会」は、実績とビジョンを最後まで訴え、矢野市政が市民サービス拡充と財政再建を両立させてきた事実を示して反撃。相手陣営の攻撃の影響で市民の間に広がっていた疑問をぬぐいさり、相手陣営のでたらめぶりを見抜いた市民から怒りの反撃も広がりました。
最終盤には青年をはじめ無党派や保守の人など幅広い市民が、「居ても立ってもいられない」と、矢野候補の応援に勇気をもって立ち上がりました。初めて応援演説に立った人、法定ビラに実名、写真入りで登場する青年、市民をはじめ、草の根での支持拡大が急速に広がりました。
「豊かな狛江をつくる市民の会」は二十日、同日投開票された狛江市長選の結果について、声明を発表しました。
声明は、「矢野市長の三選は、狛江を愛する市民のみなさんの真剣な思いが、政治信条や立場の違いを超え、住みよい狛江をつくっていこうという一致点で結集した結果だと考えます」と強調。
「八年間休む間もなく進めてきた市政改革、市民本位の市政への大転換の推進という矢野市政の実績、選挙に際して市民のみなさんにお約束した公約を誠実に追求する矢野市長の姿、それを市民のみなさんがしっかりと見てくださった」とのべています。
矢野市長が三期目の基本政策として公約した「五つのまちづくりビジョン」の実現に向け、「矢野市長とともに、そしていっそう広範な市民のみなさんと手をたずさえて運動を進めます」「狛江市の皆さん、寄せていただきました熱いご支援に重ねてお礼申し上げます」と表明しています。