2004年6月20日(日)「しんぶん赤旗」
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【サンパウロ=菅原啓】ブラジルのサンパウロで開かれていた国連貿易開発会議(UNCTAD)第十一回総会は十八日、グローバル化(経済の地球規模化)のもとでの開発戦略、貿易交渉の問題を包括的に扱った最終文書「サンパウロ・コンセンサス(合意)」と会議参加者の意思を簡潔にまとめた宣言「サンパウロ精神」を採択して閉幕しました。
最終文書は冒頭で前回総会以降の四年間を振り返り、グローバル化から利益をえた国がある一方で、多くの途上国が「とり残されている」と指摘。グローバル化がもたらす社会への否定的な影響を最小限に抑えながら、積極面を最大限にするような開発戦略を策定しなければならないと主張しています。
会議では、米主導の国際通貨基金(IMF)が途上国に緊縮財政政策を押し付けている問題も議論し、途上国側は、自国の経済・開発戦略の策定にあたって「政策選択の自由」を保障すべきだと主張していました。最終文書は、政策決定の権限が各国政府にあることをあらためて確認しました。
市場原理や民間の役割を優先して、国家の役割を否定する新自由主義的な経済政策を批判して、「国家の役割は、経済戦略を策定、遂行するうえできわめて重要である」と強調しました。
文書はさらに、国際的な経済・貿易ルール作りへの途上国の参加を強めるべきだと強調。世界貿易機関(WTO)など多国間貿易交渉で、途上国の開発に役立つ成果を追求する立場を明らかにしています。
会議では、途上国側から、国民生活を無視した多国籍企業の横暴を規制する表現を文書に盛り込む意見がありましたが、最終的には一般的に企業の責任の重要性にふれる表現にとどまりました。
UNCTADのリクペロ事務局長は閉会後の記者会見で、最終文書は「交渉の結果であり、妥協によってつくられたもの。一方の意見を百パーセント反映したものではない」と説明。ブラジルのアモリン外相は、途上国の政策選択の権利が文書に反映されたことと、議論を通じて「UNCTADが強化された」ことが会議の最大の成果だったと語りました。
国連貿易開発会議(UNCTAD) 発展途上国の経済開発を促進し、南北間の経済格差を解消することを目的に、一九六四年に国連総会の常設機関として設立されました。非同盟諸国などが求める公正・民主の新国際経済秩序の確立に向けて一定の役割を果たしてきました。総会は約四年ごとに開催されます。「アンクタッド」と呼ばれます。 |