日本共産党

2004年6月18日(金)「しんぶん赤旗」

子どもたちに命の尊さを

市民劇団「ひの」が上演活動


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公演に向けてけいこに励む劇団「ひの」の団員たち=東京・日野

 昨年夏、長崎市での中学生による男児殺害事件に衝撃を受けた東京都内の市民劇団が、子どもたちに命の尊さを実感してもらいたいと「ブンナよ木からおりてこい」の上演に取り組んでいます。おりしも今月初めには佐世保市で小学校女児の事件が起きました。深刻な事件が続く中、劇団員たちのけいこにいっそう熱がこもります。

 この劇団は東京都日野市を中心に活動している劇団「ひの」。劇団員はそれぞれ仕事を持ったり、学校に通ったりしながら活動を続け、毎年二回の公演を行っています。

 上演する「ブンナ…」は作家の水上勉さんの原作。空を飛びたいと思ったトノサマガエルのブンナが高いシイの木を登っていったところ、そこはトビのえさ置き場。トビに捕まったスズメやモズ、ネズミ、ヘビなどが必死に生き延びようとする姿と、死んでいくさまを目の当たりにしたブンナは、生きることの喜びを感じていきます。

 劇団代表で、演出の佐藤利勝さんはいいます。

 「長崎市の事件には、みんな信じられない思いでした。生き物が必死に生き、死んでいくという具体的な姿を通して、命の大切さを感じてもらいたいと思います」

 観客にどうすれば思いが伝わるかと話し合いを繰り返し、佐藤さんは脚本を何度も書き直しました。その後も、イラクでは多くの子どもたちが犠牲になり、長崎県佐世保市では小学生の事件が起きました。

 今回が初舞台となる高校二年生の田中智美さん(16)は「(佐世保の事件は)考えられないようなことでショックでした。イラクの子どもたちも私たちと同じ世代の子どもが殺されているなんて許せない。子どもたちや若い世代が命の大切さを感じることで、未来を変える力が出てくると思う」と語っています。

 公演は二十日・日野市民会館、二十七日・日野七生公会堂で、いずれも午前十時半からと午後三時からの二回。問い合わせは劇団「ひの」=042(584)3436。


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