日本共産党

2004年6月16日(水)「しんぶん赤旗」

価値ある平和5原則

提唱50周年 北京で国際セミナー


 【北京=菊池敏也】中国とインドによる一九五四年の平和五原則提唱から五十周年を記念する国際セミナーが十四、十五の両日、北京の釣魚台国賓館で開かれました。中国人民外交学会が主催。中国側から政府指導者、外交官、研究者など約百人が参加。五大陸から約二十人の海外来賓が出席。

 中国の銭其シン元中国副首相とインドのナラヤナン元大統領が基調報告しました。銭氏は「相互に依存し多極化した今日の世界で、国際関係を指導する基本理論として、もっとも生命力を持つのは平和五原則だ」と強調。これを発展させるために、(1)平等の観念を基礎とした国際関係の民主化と法制化(2)相互信頼・互恵・平等・協力の新しい安全保障観(3)世界の多様性の尊重(4)多国間主義の積極的提唱(5)人類社会の持続可能な発展の追求―の必要性を訴えました。

 ナラヤナン氏は、平和五原則の歴史的経過を振り返りつつ、大国間で冷戦が始まり深刻なイデオロギー対立が生じたなかで、「平和五原則はアジアと世界の人民に驚くべき想像空間をもたらした」と高く評価。また、「グローバル(地球規模)化する世界の行動準則は平和五原則であるべきで、一つの超大国あるいは数カ国による支配ではない」と強調し、「国連こそ世界の中核となるべきだ」と語りました。

 討論ではコール元独首相、ガリ元国連事務総長、キッシンジャー、シュルツ両元米国務長官らが発言しました。

 十五日の閉会式で中国の戴秉国外務次官があいさつし、「時代の変化と結びつけ、平和五原則に新たな時代的内容をつけくわえた」と成果を強調しました。


平和五原則

 一九五四年六月、中国の周恩来首相とインドのネール首相が、両国の友好関係の基礎として確認しあった(1)領土、主権の尊重(2)不侵略(3)内政不干渉(4)平等・互恵(5)平和共存―のこと。「平和共存のための五原則」として非同盟諸国会議の運動の原則や東南アジア友好協力条約にも盛り込まれています。


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