日本共産党

2004年6月15日(火)「しんぶん赤旗」

憲法の理想に沿う努力こそ

参院特別委吉岡議員が追及 有事法では国民守れぬ


武力攻撃の危険あおる政府

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質問する吉岡吉典議員=14日、参院イラク有事特別委

 日本共産党の吉岡吉典議員は十四日の参院イラク有事特別委員会で、有事関連法案の違憲性を告発し、「憲法制定当時、日本は、戦争のない世界を目指すことで世界の中で信頼を勝ちえようとした。平和なアジアをつくることにこそ、最大限の努力をさくべきだ」と主張しました。

 吉岡氏は、日本への武力攻撃の可能性について、かつて福田赳夫首相が「万万万万が一」としか説明できなかったにもかかわらず、有事法案が、何十万人もの軍隊による侵攻の危険を想定していることを指摘。政府が、日本への武力攻撃の危険をあおって有事法案の成立を急いでいることを「形をかえた大本営発表、国民に対する一種の心理作戦だ」と批判し、「本当に何十万の軍隊が地上侵攻してくる可能性があると考えているのか」とただしました。

 井上喜一有事担当相が「万が一に備えての制度だ」と答弁したのに対し、吉岡氏は、かつて政府が“安保条約があるから、侵略を受けない”と説明していたことを示し、「今度は安保条約があっても武力攻撃を受けるという。都合のいい言い訳だ」と批判しました。

 吉岡氏が「沖縄戦や東京大空襲といった被害を、有事法制で食い止めて(国民の)生命・財産が守れると考えているのか」と追及したのにたいし、井上担当相は「単純に答えることはできない」とのべるだけ。吉岡氏は「はっきり、(国民を)守れるとはいえないものだ」と批判しました。

 また、諸外国は有事法制を持っているとして法案を合理化していることについて、戦後の世界でそれが自国防衛のために使われたことはないと強調。植民地独立運動の弾圧(フランス)、ストライキ対策やアイルランド独立運動の弾圧(英国)で発動されたことなどを挙げ、「ヨーロッパでも(自国防衛のために)発動されたことがないものを、なぜ急いで今日採決するのか」とただしました。

「提起間違いだ」他党席から拍手

 吉岡氏は、有事法制の制定が、憲法制定時には想定されていなかった事態であることを強調。こうした動きが、(1)一九九六年の日米安保共同宣言で約束したアジア太平洋地域での日米共同作戦体制(2)昨年五月の小泉首相とブッシュ米大統領の首脳会談で打ち出した「世界のなかの日米同盟」路線―の二つの段階を経た具体化であることを指摘。一方、北朝鮮問題をめぐる六カ国協議など、平和を目指す憲法の理想に沿った動きがアジアで広がっている中で、有事法案を強行しようとする政府の姿勢について「政治の提起が間違っている」と批判、他党席からも拍手が送られました。


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