日本共産党

2004年6月13日(日)「しんぶん赤旗」

志位委員長、兵庫・大阪・京都で訴え


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大沢たつみ参院議員(左)とともに訴える志位和夫委員長=12日、神戸市・三宮駅前

 参院選の投票日まで一カ月を切った最初の週末となる十二日、日本共産党の志位和夫委員長は兵庫、大阪、京都で各選挙区候補とともに街頭演説に立ち、年金、消費税、イラク問題、憲法など選挙戦の熱い焦点を訴え、「日本共産党の躍進で日本の政治のゆがみをただし、希望ある日本をつくろう」と呼びかけました。

 小雨のふる神戸・三宮のそごう前には四千人。大阪市なんば高島屋前にはどしゃぶりの雨のなか、約四千人が聴き入り、雨のあがった京都駅前には二千五百人が集まりました。

 この日、神戸では自民・安倍幹事長が同時刻にすぐ隣で街頭演説に立ち、大阪では公明・冬柴幹事長らが五カ所で訴えました。


年金・消費税、イラク・憲法――

日本共産党こそ本物の改革すすめる党

神戸、大阪、京都 志位委員長の訴え

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宮本たけし参院議員(右)とともに訴える志位和夫委員長(左)=12 日、大阪市・なんば駅前


街頭演説で声援にこたえる志位委員長(右)と左へ西山参院議員、こくた国対委員長=12日、京都駅前

 日本共産党の志位和夫委員長は十二日、神戸、大阪、京都三市での街頭演説で、年金改悪法強行後の争点や、国連安保理で新決議が採択された新たなイラク情勢などを明らかにし、参院選挙での日本共産党の前進・必勝を訴えました。

年金改悪――実施を中止させ、国民的討論で安心できる年金を

 「参院選挙での国民の審判によってゆくえが左右される熱い争点が浮き彫りになってきました。年金をどうするかは選挙の大争点です」ときりだした志位氏。政府・与党が都合の悪い数字をださずに国民をだまし、年金未納問題を党利党略の道具にして年金改悪法を強行した前代未聞の暴挙をきびしく批判しました。

 「年金を語る資格のない勢力が、国民をだまして強行した改悪年金法を、このまま実施させるわけにはいきません」とつづけた志位氏は、改悪年金法の実施はこれからであり、日本共産党が参院選公約として、改悪年金法の廃止法案を参院選後の新たな国会に提出し、国民だれもが安心できる年金制度をつくるために国民的討議をよびかけていることを紹介。

 低年金と空洞化という年金制度の問題点を根本的に解決するために、「最低保障年金制度」(当面、月額五万円)を創設、その財源は、歳出の浪費削減や大企業の応分の負担などでつくれるとした党の年金改革案を紹介。「憲法二五条に明記された生存権を保障する年金制度を日本共産党とともにつくろうではありませんか」とよびかけました。

消費税増税――2007年度が危ない、「福祉のため」は偽り

 志位氏は、財界や自民・公明・民主各党が「年金・介護・医療など社会保障制度の見直し」と「一体」に、二〇〇七年度の消費税増税を計画していることを告発。

 「福祉のため」という口実が、偽りであることを、消費税導入以来十六年間の福祉切り捨ての具体的事実をしめして解明したうえで、財界が「法人税を5%下げよ」(経済同友会)、「企業の社会保険料負担をなくせ」(日本経団連・奥田ビジョン)と公然と要求するなど、「『財界の負担軽減のため』が、消費税増税計画の真相だ」とのべ、「増税反対の声をこぞって日本共産党に」と訴えました。

イラク問題――多国籍軍への参加は憲法のじゅうりんを一段とすすめる

 志位氏は、イラクへの「完全な主権の返還」、イラクの新政権樹立にむけて国連が「主導的役割」をはたすとしたイラク新決議について、「平和の世論を反映したものだが、現実が決議に書いてあるとおりに進むかどうかは、簡単ではない」と指摘。決議を実施する最大の障害は、侵略戦争をすすめた米英軍が多国籍軍と名前を変えながら駐留を続け、「反米勢力との戦争を継続する」ことにあるとし、「いま大切なことはアメリカが軍事行動を強く自制し、すみやかに撤退にむかう措置をとることです」と訴えました。

 さらに、小泉首相がアメリカいいなりで多国籍軍に自衛隊を参加させる方針を表明したことは「イラク情勢の打開にとって有害なだけでなく、憲法じゅうりんをさらに一歩すすめるものだ」と批判し、自衛隊のすみやかな撤退を要求しました。

憲法問題――改悪反対の一点での共同を

 「アメリカに自衛隊をさしだすだけでなく、憲法までさしだす動きが強まっている」とつづけた志位氏は、自民・公明・民主が、憲法九条を焦点とした改憲の動きを本格的に強めていること、「九条の会」にみられるように、この動きに反対する共同の新たな広がりがつくられていることについてのべ、改憲派が持ち出すごまかしの議論に一つひとつ反論を加えながら、憲法の平和、人権、民主主義の原則を生かした国づくりの展望を語りました。

日本共産党はどういう政党か――21世紀になくてはならない役割

 最後に志位氏は「日本共産党はどういう政党か」と問いかけ、(1)「財界が主役」「アメリカいいなり」という自民党政治の異常なゆがみをただす本物の改革をすすめる政党(2)日本国民全体の安全や利益にかかわる問題については「何でも反対」でなく、解決のために提案し行動する政党――であることを紹介。拉致問題をはじめ北朝鮮問題で果たしてきた党の姿を力説し、「この党が今度の選挙で大きくなってこそ二十一世紀の日本の希望ある未来が開けます」と訴え、大きな拍手に包まれました。


大沢、宮本、西山の各議員

力を込めて訴え

 神戸では大沢たつみ参院議員が「安心できる年金制度をつくりたい、憲法九条をまもりたいという熱い思いを私に託してください」、大阪では、宮本たけし参院議員が「弱きを助け巨悪に立ち向かい、みなさんの命とくらしを守る」と声をふりしぼりました。京都では、西山とき子参院議員が「京都の伝統文化、地場産業、農業を守り、立て直す。そして食の安全を守り、子育て支援をすすめる」と決意をのべました。

 神戸市の尾崎浩和さん(28)は「年金未納問題でいまだに公表しない自民党やずるがしこい公明党の党利党略はまったくその通り。こんどの年金改悪で私たちが年金をもらうときはどうなっているのか不安だ。志位さんのいうように、改悪された年金法を実施させないようにしてほしい」と語りました。 


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