日本共産党

2004年6月12日(土)「しんぶん赤旗」

英労働党が地方選で大敗

イラク参戦で国民が離反

第3党に転落


 【ロンドン=西尾正哉】英労働党は十日投票された地方選挙で議席を大幅に減少させ、国政の政権与党として初めて第三位に転落することが確実になりました。イラク戦争反対を押し出した野党の自由民主党が第二位に前進し、第一位は国政で野党第一党の保守党になる見込みです。

 地方選挙は十日、欧州議会選挙とあわせてイングランドとウェールズの百六十六議会(約六千議席)で行われました。同日夜から九十七市議会が開票を終えた時点で、労働党は二百六十議席減らし、三十年間与党だったニューキャッスルをはじめ八市議会で絶対多数を失いました。保守党、自民党は議席を増やしました。

 英BBC放送の推計で労働党の得票率は26%にとどまり、保守党38%、自民党30%にも抜かれました。労働党は最終的に四百議席を失うとみられています。

 BBCはイラク問題が決定的な要因となったと指摘。ジョウェル文化・メディア・スポーツ相は、「明らかに強力な抗議の投票があった。われわれは国民が何を私たちに伝えたいのか考えなければならない」、ブランケット内相も「イラク戦争問題がダメージを与えた」と述べました。

 ブレア首相は選挙前のテレビインタビューで「イラク問題が影を落としている」と同党からの国民の離反を認めていました。

 昨年五月の地方選、九月の下院補選に続き労働党は三連敗です。来年にも予想される総選挙に向けて、最近ではブレア首相からブラウン蔵相への党首交代が労働党内外でとりざたされています。

 BBCのウェブサイトの論評は「労働党議員は自分の議席を懸念し始めており、ブレア首相は、自分のリーダーシップが議員の間で真剣な議論の対象となる事実に直面するであろう」と指摘しました。

 欧州議会選挙は十三日に開票されます。


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