2004年6月12日(土)「しんぶん赤旗」
七月十一日の参院選投票日まで一カ月となり、公約や立候補者がほぼ出そろってきました。各党は本番さながらのとりくみを強めています。
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自民党は、獲得目標を五十一議席に置き、単独過半数(五十六議席)回復も視野に入れています。
党選対幹部会議では数回にわたって選挙情勢を分析。小泉純一郎首相を登場させたテレビコマーシャルを流し始めるなど選挙態勢をいち早く整えています。党独自の調査では、改選数一の「一人区」で十以上の選挙区が当落線上で「厳しいたたかいになる」(町村信孝総務局長)と分析。九日夜の自公幹事長会談でも十選挙区を“激戦区”として公明党側が支援することになりました。
一方、昨年の総選挙で小選挙区候補が公明党の支援を受ける代わりに「比例は公明に」と訴えた例が続出したことから、今回の参院選では原則的に「禁止」。しかし、各地で「比例は(公明党の)〇〇候補へ」と個人名で呼びかける選挙区候補が相次ぐなど、公明党・創価学会依存度は変わっていません。
比例候補の大半は日本経団連、建設業協会、日本医師会などの業界・団体代表で、“ぐるみ選挙”は相変わらず。一方、「昔は(比例代表で)支持団体を東西に分けて候補者を二人出していたが、今は一人しか出せない団体は確かにある」(町村総務局長)など、支持基盤の崩れも目立ちます。
八日には参院選公約を決定。自衛隊の位置づけと集団的自衛権を明確にするなど「戦争をする国」に向けた九条改憲などを争点として押し出しています。
公明党は「三選挙区(埼玉、東京、大阪)の完勝と比例区で現有七議席以上、一千万票獲得」(神崎武法代表)を目標に掲げています。比例候補押し上げの担当ブロックを割り振り、創価学会と一体でなりふりかまわぬ組織戦を展開し、従来自民党の支持基盤だった業界団体への食いこみも強化。「参院選は…政権選択に直結する衆院選と比べて野党に有利といわれている」(公明新聞十一日付)と陣営内を引き締めています。
三日には総選挙公約に追加した政策綱領を発表し、「連立政権の成果と実績」で対決構図をつくろうと躍起です。
しかし、党幹部の年金未納問題が明らかになったなかでの年金改悪法強行は“悩みの種”。創価学会の秋谷栄之助会長は、学会員が有権者から批判をうけていることを指摘し、公明党に「死に物狂いで努力していくよう」(聖教新聞五月二十日付)にと檄(げき)。冬柴鉄三幹事長らは各地の演説会で言い訳していましたが、最近では公明新聞からも党幹部の「おわび」そのものが消えうせました。(つづく)