日本共産党

2004年6月8日(火)「しんぶん赤旗」

イラク新決議案

安保理協議で仏修正案

「多国籍軍作戦に事前同意を」


 【ワシントン=浜谷浩司】国連安全保障理事会は六日、イラク新決議案をめぐる非公式協議を開催し、主権移譲後のイラク暫定政府に米主導の多国籍軍の軍事作戦に対する「拒否権」を認めるかどうかという最大の問題をめぐり、大詰めの調整をしました。

 ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)ら米政府高官は同日、「主要問題は片付いており、決議の仕上げを残すだけ」と繰り返しており、主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)が開幕する八日にも採決に持ち込む構えです。

 しかし国連からの報道によると、主権の完全な移譲を要求するフランスは、多国籍軍の軍事作戦が問題を引き起こす可能性がある場合、イラク暫定政府の事前同意を義務づける内容の修正案を提示しました。これには、ドイツや中国、アルジェリア、チリ、ブラジルなども賛意を示しているといい、米側の思惑通りに事態が運ぶかはなお不透明です。

 一方、イラク暫定政府のアラウィ首相とパウエル米国務長官は同日、安保理にそれぞれ書簡を提出し、暫定政府と米軍との間で軍事作戦について緊密に協議することを表明。これによって米軍の指揮権とイラク政府の主権との対立を回避するとしています。

 ただ、米政府は「米軍の指揮権が米大統領にあるのは当然」(ライス補佐官)としており、そのもとでは、暫定政府との協議も、あくまで努力規定にすぎません。


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