日本共産党

2004年6月5日(土)「しんぶん赤旗」

北方機動演習

自衛隊が迷彩服で日航機利用

「遠慮を」の要請 防衛庁断る


 陸上自衛隊が実施する北方機動演習(北海道・矢臼別演習場)に、陸自の迷彩服部隊が民間の日航機を利用して一般の乗客とともに搭乗することが四日、航空関係者の調べで分かりました。

 日航機を利用するのは陸自西部方面隊第八師団(熊本)の一部部隊。五日、福岡空港午前九時三十分発の日航1706便に搭乗。羽田空港で正午発の同1143便に乗り換え、釧路空港には午後一時三十五分に到着の予定。五十人の隊員が利用します。

 復路は十二日。釧路空港を午前十時十五分発の日航1142便に搭乗し、羽田空港午後一時三十分発の同1719便に乗り換え、福岡空港には同三時十分に到着の予定です。八十三人が利用します。

 自衛隊が利用する往復の四便は、管理職が運航するとしています。

 陸自の北方機動演習の期間は五月三十一日から七月九日まで。約三千人規模で長距離機動訓練、長射程射撃訓練、師団規模の演習等が実施されます。機動(部隊移動)手段は艦船、輸送機のほか、民間機、鉄道などを利用します。今年度は第六師団(山形)が基幹部隊ですが、防衛庁は演習支援部隊や教育見学として他の方面隊からも参加すると説明しています。

 日航は申し込みをした防衛弘済会を通して防衛庁に「迷彩服での搭乗は、他の乗客の中で不快に感じる方がいるのでご遠慮を」と協力要請をしました。しかし、防衛庁は「迷彩服での移動は訓練の一環」として断ったといいます。

 航空労組連絡会は四日、防衛庁に対して「戦闘用迷彩服による移動は訓練の一部であり、国際民間航空条約で禁止している民間機の軍事利用にあたる」として、民間航空の軍事利用の中止を求める要請を行いました。

 日本航空機長組合、同乗員組合など日航七労組は四日午後、日航との経営協議会で、日航は国際民間航空条約にもとづいて防衛庁に民間機の軍事利用をしないよう要請せよと申し入れました。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp