日本共産党

2004年6月2日(水)「しんぶん赤旗」

イラク新政権

選出 最後まで混迷

米の押付けが原因に


 【カイロ=小泉大介】イラクの新大統領にヤワル統治評議会議長が一日に決まり、同日午後、先に任命されていた暫定政府首相のアラウィ氏から、二人の副大統領と閣僚が発表されました。

 イラク暫定政府は今月末の「主権移譲」とともに正式発足した後、遅くとも来年一月末までに実施される選挙で選出される議会が新政府を決めるまでの任期となります。暫定政府閣僚発表をうけ、米占領当局任命のイラク統治評議会は解散を決定しました。

 今回のヤワル氏の新大統領指名は、その直前に指名されたパチャチ元外相の辞退にともなうもので、占領下の新政府づくりは最後まで混迷を極めました。

 統治評議会は五月三十日の協議のさい、メンバーほぼ全員がヤワル氏指名で同意しましたが、米国主導のイラク占領機関、連合国暫定当局(CPA)のブレマー文民行政官はパチャチ氏指名に固執し対立。占領当局の圧力のなか、一日午前に再度協議した統治評議会は、一度はパチャチ指名で固まりましたが、直後に同氏が受諾を否定したため、ヤワル氏指名で決着しました。

 大統領指名をめぐる迷走の原因は、占領軍駐留に批判的とされるヤワル氏指名に動いた統治評議会にたいし、米占領当局が不承認権限もちらつかせながら、駐留に理解を示すパチャチ氏を押し付けようとしたことでした。

 「イラクへの主権の完全な移譲」(ブッシュ米大統領の五月二十四日の演説)といいながら、実際には、あくまで自らの影響力を維持しようとする米政権の本性があからさまになりました。


暫定政府の顔触れ 一日発表されたイラク暫定政府の主な顔触れは次の通りです。

 ▽大統領=ガジ・ヤワル▽副大統領=イブラヒム・ジャファリ、ロウシュ・シャウェイス▽首相=イヤド・アラウィ▽外相=ホシャル・ゼバリ▽国防相=ハゼム・サアラン▽財務相=アデル・アブデルマハディ▽石油相=サーミル・ガドバン▽内相=ファラー・ナキブ(時事)


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