日本共産党

2004年5月30日(日)「しんぶん赤旗」

イラク人虐待に憎悪

米軍の行為を非難

EU・ラテンアメリカ首脳会議が宣言


 【メキシコ市=菅原啓】メキシコのグアダラハラで二十八日開幕した第三回欧州連合(EU)・ラテンアメリカ首脳会議は、米軍によるイラク人虐待を強く非難する最終文書「グアダラハラ宣言」を採択しました。

 五十八カ国の首脳が合意した宣言は、「イラクの収容所で拘束者に対して行われた虐待という事実に憎悪を覚える。こうした虐待は、ジュネーブ条約をはじめとした国際法に違反する」「あらゆる虐待、拷問、その他の非人道的待遇を強く非難する」とのべています。

 ラテンアメリカ諸国は、米国に対する名指しの糾弾を盛り込むよう提案していました。英国など欧州側が反対したため、一時はきわめて一般的な虐待批判に落ち着く可能性も高まっていました。最終的には名指しは避けながら、明確に米軍の行為を糾弾する表現となりました。

 会議ではラテンアメリカ側から、米国によるキューバ封鎖政策と、これを具体化したヘルムズ・バートン法も文書で非難するよう提案されていましたが、欧州諸国はこれも一般的表現にすべきだと主張しました。

 この点は最後まで合意が得られず、米国のキューバ制裁問題は文書から除外されました。キューバのペレス外相は、この点を批判。文書の採決で保留を表明しました。

 文書はまた、国際紛争解決での国連の役割を重視する立場を強調。ブッシュ米政権が進める単独行動主義ではなく、国連を中心とした多国間協調主義を構築する必要性を訴えています。

 会議最終日の二十九日は、各国首脳の個別会談や、欧州連合とメルコスル(南米南部共同市場)など地域共同体間の自由貿易協定問題に関して協議する予定です。


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