日本共産党

2004年5月28日(金)「しんぶん赤旗」

9条まもれ 草の根から

党派こえ 思い一つに

保守も革新も多彩な501人

長野・諏訪市 「戦争はいやだ、平和を守ろう会」


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「戦争はいやだ、平和を守ろう会」の設立総会=長野県諏訪市

 「戦争はいやだ、平和を守りたい」とお思いの方、みなさん集まってください−。長野県の中央部、諏訪湖東岸に位置する諏訪市で、こんな呼びかけに幅広い市民がこたえ、「戦争はいやだ、平和を守ろう会」を結成。党派を超えた草の根の平和運動が大きく広がっています。

 酒井暁史記者


 「平和を守ろう」と最初に声をあげたのが、元保守系市議の藤森俊和さん(79)。自衛隊のイラク派兵を受けて、「このままでは戦争になる」と危機感を募らせました。

 「この危険な流れを、なんとか食い止められないだろうか」

 戦前の青年学校で同級の仲だった、元市議で保守会派に属していたこともある飯田悦司さん(79)に話をもちかけました。

余生ささげたい

 「彼を誘おう」と組織づくりにたけた元日本共産党市議の栗田勝さん(61)に声をかけました。栗田さんは「二人に呼ばれて、『余生を平和運動にささげたい』と言われ、大きく心を動かされました」と振り返ります。

 数回の準備会を経て開かれた三月末の設立総会には九十人が参加。飯田さんが会長を、藤森さんが会長代理を、栗田さんが事務局長を引き受け、「平和を守るためにあらゆる行動をしよう」と話し合いました。現在(二十七日)、五百一人が会員になっています。

 飯田さんは戦争で弟を亡くし、母が嘆く姿をずっと見てきました。そのたびに「軍にいながらも弟を守れなかったのは自分の責任だ」という気持ちを背負ってきました。それがいま、アメリカの戦争に日本が加担する危険な流れが強まっています。「弟への供養ができるとすれば、それは戦争をしないこと、後世のために平和を守ることだ」と心に刻みました。

 藤森さんは戦場に赴くことはなかったものの、徴兵され、軍服を着て戦時を生きてきました。

 「体験した者でなければわからない気持ちを、後世に伝えたい」との思いが強くありました。

 「会」の役員や会員には、保守系の元市議や元市議会議長、元警視庁職員などの幅広い人たちが名を連ねています。党派を問わず、「戦争はいやだ、平和を守ろう」という思いを同じくする個人の集まりで、みんなで話し合って会の活動を進めていくのが特徴です。

 地域の自民党支部長を務める元県職員の男性(80)は「出征のさい、同じ船団の別の船に乗っていたら、死んでいた」という体験を持っています。戦友が乗っていた輸送船は目の前で撃沈されました。戦争は絶対にいやだという強い思いから、二つ返事で入会しました。

 この男性は「『会』には政治的立場や思想・信条で考えが異なる人もいますが、世界の平和を願う運動に加わることには何の抵抗もありません」ときっぱりと語ります。

一大行動を計画

 六月二十日には、諏訪市で憲法集会が開かれます。自民・公明与党や民主党からも憲法改悪の動きが強まっているなか、憲法第九条を守ろうと企画されたものです。

 ドキュメンタリー映画「ヒバクシャ」の監督、鎌仲ひとみさんやジャーナリストの本多勝一さんを講師に招きます。

 「平和を守ろう会」は、集会の実行委員会に参加し、成功をめざして活動を強めています。

 七月には、不戦をテーマにした戦没画学生の遺作を展示した無言館へのバスハイクを実施。八月六日には、広範な市民によびかけて原水爆禁止への意思表示の一大行動を計画しています。

 栗田さんは「毎月なんらかの行動をしながら、『平和を守ろう』という草の根の運動を強く大きくしたい」と語ります。


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