日本共産党

2004年5月26日(水)「しんぶん赤旗」

手結ぶブラジル、中国

発展途上2大国が連携


 【北京=小寺松雄】ブラジルのルラ大統領が二十二日から二十七日まで中国を公式訪問中です。二十四日には胡錦濤国家主席と会談、共同コミュニケに調印しました。同大統領の訪中は昨年一月の就任後初めて。発展途上国の大国同士として、この数年間強まってきた両国の友好・協力関係がこれを機にいっそう前進するとみられます。

■貿易の急増

 ルラ大統領と胡主席の首脳会談では、この十年間の両国の「戦略的パートナー関係」をいっそう発展させ、国際関係でも緊密に連絡していくことが確認されました。その背景には、ブラジルが最近とみに経済力を増し、ルラ大統領就任の昨年から中国との貿易関係が急速に高まったことがあります。

 昨年、中国はブラジルの貿易相手国として、米国についで第二位になりました。それまで長く二位だった日本を一気に上回ったのです。

 ブラジルから中国への輸出で増えているのが大豆と鉄鉱石です。大豆の一大生産国であった中国は一九九五年ごろから輸入に踏み切っており、ブラジルとアルゼンチンに三分の二を依拠しています。

 さらに中国は二〇〇一年のWTO(世界貿易機関)加入後は、食料分野でも大きく門戸を開いており、その後はブラジルからの牛、豚など肉類の輸入も増えています。

 ブラジルは、中国を世界最大の市場として重視しており、今回の大統領訪中には四百人以上の企業関係者が参加しています。

 中国のブラジル重視も高まり、最近では「中国はブラジルとの間で自由貿易協定(FTA)を結ぶ意欲をもっている」とまでいわれます。

■安保理では

 今回の首脳会談で当然話題になったと思われるのが、発展途上国のなかの大国として発言力を増しているブラジルの「国連安保理常任理事国入り」問題です。中国外務省の劉建超報道官は二十日の記者会見で、「ブラジルは西半球最大の発展途上国」として「両国間の戦略的パートナーシップを強化したい」と述べました。そのうえで国連安保理問題について「常任理事国は地域的不均衡があり、発展途上国に優先的に与えられるべきだ」と述べ、ブラジルの希望に前向きな姿勢をみせました。

 発展途上の両大国が、安保理ポストもからめて関係をどのように発展させていくかが注目されます。ブラジル、ロシア、インド、中国の四カ国(BRICs)について、各国の経済発展の可能性から、二〇五〇年までに、これら四カ国は世界で最も強大な経済大国グループになるとの報告もあります。今回のルラ大統領の訪中は、こうした見方につながる両国間の連携強化として関心が寄せられています。


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