日本共産党

2004年5月25日(火)「しんぶん赤旗」

カンヌ最高賞「華氏911」が描く

ブッシュ大統領の姿

“顧問の助言なしには動けない”

ビンラディン家と関係も


 ブッシュ米政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」が二十二日、カンヌ国際映画祭で最高の賞、パルムドールを受賞しました。同映画は、ディズニー社が米国内での配給を拒否しました。ムーア氏は米独立記念日の七月四日に映画が封切られることを目指しており、十一月の大統領選を前に大きな反響を呼びそうです。

 カンヌからの報道によれば、映画は、二〇〇〇年の前回大統領選のフロリダ州での開票をめぐる混乱のシーンから始まります。

 次いで二〇〇一年の9・11対米同時テロ発生当時、フロリダ州の小学校で児童を前に朗読していたブッシュ氏が映し出されます。ニューヨークの世界貿易センターに二機目のハイジャック機が激突したことを報告された後も、彼が十分以上も朗読を続けていたことが映像で暴露されます。顧問らの助言なしには動けないブッシュ氏の姿が浮かび上がります。

 映画は、9・11テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディンの一家とブッシュ家との関係を暴きます。ブッシュ現大統領は一九七八年、父親の援助で石油採掘会社を立ち上げました。それに融資したジェームズ・バスがウサマの長兄サレムの代理人だった―など、ブッシュ家とビンラディン家やサウジアラビア王室との長いつきあいが示されます。

 イラク戦争の権限を政府に与える決議を採択した米下院の四百三十五人の議員中、子どもがイラクに出兵している議員は一人だけ。映画は、こんな事実も明るみに出しています。

 「右翼や共和党は、あらゆる手段を使って私を攻撃してくるだろう。しかしそれは、彼らがうそつき集団であり、米国民がそれに気づいているという映画の問題提起に、彼らが論戦で勝てないからだ。映画をみた人は、以前と同様にブッシュ政権をみることは決してないだろう」―ムーア監督は二十三日、自らのホームページのメッセージで語っています。


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