日本共産党

2004年5月23日(日)「しんぶん赤旗」

イラク報道は規制だらけ

名古屋でシンポ

取材記者らが発言


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パネリストの発言に聞きいる参加者=21日、名古屋市中区・朝日ホール

 マスコミ関係労組や市民団体などでつくる「市民と言論実行委員会」は二十一日、名古屋市内で「イラク報道と有事法制―問われる言論・報道の自由」をテーマにシンポジウムを開きました。パネリストは石原剛文(朝日新聞記者)、加古信志(毎日新聞写真記者)、久保田弘信(フォトジャーナリスト)、飯室勝彦(中京大教授)の四氏。百六十人が参加しました。

 イラク戦争時、米空母に同乗取材した石原氏は「空爆や船の位置など将来の作戦行動にかかわる報道や、衛星携帯電話を使って本社とやりとりすることは厳しく制限された。違反した場合、強制的に船から降ろされるなどのペナルティーがあった」と述べました。

 サマワの陸上自衛隊宿営地を取材した加古氏は「警備の状況がわかる撮影は禁止」「航空自衛隊の取材は、米軍によって厳しく制限された。C130機などの取材ができなかった」と報告。

 フリーの立場で戦下のイラクを取材した久保田氏は「先遣隊派遣後、記者証が発行されないフリーの記者は、自衛隊を取材できない仕組みがつくられた」「自衛隊の派遣によって、日本人のNGOスタッフや記者が、テロの対象になった事実を日本政府は隠し続けてきた」と語りました。

 元東京新聞論説委員の飯室氏は、この間の政府による有事法制強行などの動きをとりあげ、「憲法改定にむけて、国民の知る権利が奪われつつある」と指摘。「このまま国民が黙っていたら、侵略戦争を犯した戦前の日本と同じ事態になってしまう」と述べました。


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