日本共産党

2004年5月22日(土)「しんぶん赤旗」

きょうからアラブ首脳会議

イラク、パレスチナ、アラブ改革

解決の一致点さぐる


 【チュニス=小泉大介】アラブ連盟(二十一カ国とパレスチナ解放機構が加盟)の首脳会議が二十二、二十三の両日、チュニジアの首都チュニスで開催されます。同連盟は毎年一回、定例の首脳会議を開催していますが、今回は三月に同地で予定されていた会議が開催直前に延期決定されていました。

 アラブ連盟のムーサ事務局長は先に、今回の首脳会議に関し「アラブ地域に現在発生しているすべての問題を協議する」と語りました。とりわけ、イラク情勢、パレスチナ問題、アラブ改革・民主化問題などをめぐり、アラブ各国民の反米感情がかつてなく激化するなかでの開催となるだけに、アラブの首脳がこの国民の声をいかに反映させるか、どのような問題解決の具体策で一致できるかが注目されます。

 イラク情勢に関しては、この間、ファルージャやナジャフなどで発生した「武装勢力掃討」を名目にした米軍によるイラク住民の大量殺害や拘束イラク人にたいする拷問・虐待への対応に加え、六月末に期限が迫った「主権移譲」にむけ、これを名実共にイラク国民による国づくりに結びつけるためのアラブの関与が協議されます。

 パレスチナ問題では、五月に入りガザ南部のラファ難民キャンプを中心に、イスラエル軍による一九六七年以来最大規模の攻撃がおこなわれており、アラブ連盟は十八日、これを「戦争犯罪」として断固糾弾する声明を出しました。首脳会議では、この問題での具体的措置を提起することが課題となります。

 さらに同問題ではこの間、ブッシュ米政権がユダヤ人入植地の維持を認めパレスチナ難民の帰還権放棄を迫るなど、イスラエル支持の立場を鮮明にしていることへの対応、さらに、現在危機的状況にある中東和平のためのロードマップ(行程表)をいかに立て直すかも焦点です。

 アラブ改革・民主化問題では、今年二月に明らかになった米政権主導の「大中東民主化構想」にたいし、外からの改革の押し付けには反対する立場から、さまざまなアラブの自主的な改革構想が提起されてきました。今回の会議では、各国に共通する課題推進のため、大枠の指針が提示される見込みです。

 以上のテーマに関しては、八日から十日までおこなわれた外相会議で決議案が承認済みで、首脳会議では、その後の情勢の進展を加味して最終決議が採択、発表される予定。会議にはアナン国連事務総長や欧州連合(EU)のプローディ欧州委員会委員長などの出席も予定されています。


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