日本共産党

2004年5月21日(金)「しんぶん赤旗」

米中央軍司令官

主権移譲後、増派も

イラク 情勢悪化の見通し示す


 【ワシントン=浜谷浩司】米中央軍のアビザイド司令官は十九日、上院軍事委員会の公聴会で、イラクの治安は六月末の主権「移譲」後もさらに悪化するとの見通しを示しました。

 同司令官は、主権「移譲」後も「情勢は選挙に向けて、現在よりもさらに厳しいものになるとみている」とし、イラク駐留軍のサンチェス司令官も「私に同意すると思う」と述べました。

 その背景としてアビザイド司令官は、〇五年一月にも実施される選挙に向けて、「何が起きるか分からない状況が続く」と述べました。

 そのうえで、イラク駐留米軍の規模について、「部隊がもっと必要になることも考えられる」と述べて、増派を要請する可能性に言及。また、国連安保理が新たな決議を採択することによって、各国が「より多くの部隊を派遣する」ことに期待を表明しました。

 ブッシュ米政権が昨年十一月に主権「移譲」の前倒しを決めたことには、イラク現地での治安の劇的な悪化が、今年十一月の大統領選挙に悪影響を与えるのを避ける狙いがありました。

 それにもかかわらず、米占領軍のトップがこぞって、大統領選挙までに事態が好転する見通しがないと認めたことは、イラク戦争がブッシュ大統領をますます窮地に追い込んでいることを浮き彫りにしています。


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