日本共産党

2004年5月20日(木)「しんぶん赤旗」

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聖域なき構造改革

でも、米と財界は聖域


グラフ

 小泉首相は事あるごとに「聖域なき構造改革」といいます。聖域は本当にないのでしょうか。答えは“否”。アメリカと財界の要求は聖域扱いです。手を触れないどころか手厚い優遇をしています。

ジムやプール

 例えば、在日米軍への「思いやり」予算(駐留経費負担)。日米安保条約にもとづく地位協定では「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費」は、「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」(二四条)となっています。「思いやる」必要などまったくないのに、至れり尽くせりの大盤振る舞いを続けています。

 今年度も、米軍家族住宅の建設や基地拡張など総額二千四百四十一億円(一般歳出に占める比率は0・51%)も支出します。アスレチック・ジムや野球場、プール建設などまであります。

 これがいかに国民を無視した予算措置であるかは、不況で苦しむ中小企業への対策費が千七百三十八億円(同0・36%)と、「思いやり」予算より七百三億円も少ない事実をみれば明白です。「聖域なき…」というなら、米軍「思いやり」など無駄な予算を見直すべきです。

大企業は減税

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財界総本山の日本経団連が入る経団連会館=東京・千代田区大手町

 財界向けも至れり尽くせり。歴代政府が財界の要求に沿い、法人税基本税率を40%から30%に引き下げるなどした結果、税収がピークだった一九八九年当時に比べ国・地方合わせた税収落ち込みは、九〇年からの十四年間で約百三十一兆円です。一方、庶民増税の消費税では、八九年からの十五年間で約百三十六兆円の税収です。

 小泉内閣では、研究開発、設備投資、登録免許税などで三年間に一兆三千億円の企業減税。一方、将来の庶民大増税へ、消費税隠しの総額表示方式を四月から実施しました。

 小泉首相は「聖域なき構造改革」を、「痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず」に断行すると強調してきました。しかし同内閣がやってきたことは、医療・介護・年金・雇用保険の改悪を含め、国民犠牲を土台に、アメリカ・財界優遇の体制の構築そのものです。これでは国民は苦しくなるだけです。



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