2004年5月18日(火)「しんぶん赤旗」
【北京=小寺松雄】中国共産党台湾活動事務室と国務院台湾事務室は十七日、「『台湾独立』活動を断固食い止める」とする声明を共同発表しました。「独立」勢力批判の一方で、「将来の台湾の地位にふさわしい国際の場の保証」に言及するなど新しい提案もしています。
声明は、「台湾独立」をやめさせ、台湾海峡の平和・安定を守ることが「両岸同胞の当面の最も差し迫った任務になっている」と指摘。台湾の陳水扁総統が四年前に「台湾独立」を宣言しない、「国名」を変更しないなど五点を約束しておきながら、これを破ろうとしていると厳しく批判しています。
声明は「大陸と台湾は一つの中国に属する」と改めて表明。「台湾独立」の主張と活動をやめるなら両岸関係には明るい前途があるとして(1)両岸の対話と交渉の再開(2)三通の実現(3)台湾地区の地位にふさわしい国際的な活動の場の問題を適切に解決―を提言しています。
声明は、台湾当局の前には「両岸は一つの中国に属すると認め、両岸関係の発展を促す」か、「あくまで台湾を中国から切り離し、最終的に火遊びをして自らを焼く結果に終わる」か二つの道があると強調。さらに「台湾当局があくまで『台湾独立』を目指すなら、中国人はあらゆる代償を惜しまず、『台湾独立』の陰謀を断固として粉砕する」としています。
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三通 中国大陸と台湾の間の、通商、通航、通信の三分野での直接の交流のこと。中国側が一九七九年に提案したもの。二〇〇一年から、台湾海峡の大陸寄りに位置する台湾の島、金門・馬祖島を経由しておこなう「小三通」が行われており、これによる通商はかなりの額に達しています。台湾側は、この三分野での交流を段階的に拡大していくとしています。 |