日本共産党

2004年5月12日(水)「しんぶん赤旗」

貧富の格差の広がり どうみる?


 〈問い〉 貧富の格差の広がりを実感します。日本でも世界でもそうなのでしょうか? 資本主義である以上やむをえないという人もいますが、日本共産党はどう考えていますか?(東京・一読者)

 〈答え〉 貧富の格差の広がりは世界的で、いよいよ深刻です。

 地球上の人間を100人としたら、「最も豊かな20人が全体の富の90%を消費し、最も貧しい20人は1%しか消費していない。最も豊かな20人は最も貧しい20人の74倍の収入がある」(03年国連人間開発報告=Human Development Report)のです。

 同報告はまた、「多くの国にとって、90年代は絶望の10年だった。現在、およそ54カ国が90年に比べて貧しくなっている。21カ国では、飢えている人々の割合が増え、14カ国では、より多くの子どもが5歳になる前に死亡している。…こうした生存状況の後退は、以前はほとんど見られなかった事態である」とも書いています。

 ILO(国際労働機関)事務局長が昨年おこなった報告によると、世界で一番の富裕層と貧困層の所得格差は、60年は30倍でしたが、99年には74倍になっています。

 日本国内の貧富の格差も72年に5倍だったものが、99年には9倍になっています。

 これらは新自由主義といわれる国際金融資本と多国籍企業を中心としておしすすめる弱肉強食の競争至上主義、利潤第一主義がもたらしているもので、放っておくと、世界でも日本でもますます格差が広がることになります。

 日本共産党は、大企業や大金持ちたちを応援するのでなく貧富の格差を縮小する方向に、政治を切り替えることを主張しています。同時に、現在の資本主義が生産力を制御できず、「かつてない大きな規模と鋭さ」で不況と大量失業、国境を越えた金融投機などをくり返し、貧富の格差を広げていることをみすえて、これを根本的に解決する未来社会を展望しています。()

 〔2004・5・12(水)〕


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