日本共産党

2004年5月9日(日)「しんぶん赤旗」

資産公開 実態ますます不透明

株保有衆院議員は自公民など183人


 昨年十一月の総選挙で当選した衆院議員の資産が公開(四月十九日)されましたが、株式を保有している議員が全体の約四割もいることがわかりました。今回の資産公開から額面株式制度を廃止した商法改正にともない、株式の額面価格が報告されなくなったため、株を持っている政治家の資産形成の過程がいっそう不透明になり、資産の実態からかけ離れることになっています。

 株式を保有していたのは、自民党百十五人、公明党は冬柴鉄三幹事長ら五人、民主党五十九人、無所属二人、無所属の会と自由連合各一人の計百八十三人。森山真弓元法相の四十銘柄、自民党の左藤章国対副委員長の三十二銘柄といった“株長者”もいます。

 このなかで、もっとも実態とかけ離れていたのは、民主党の鳩山由紀夫・前代表。ブリヂストン、東京電力、三菱地所など十五銘柄、計三百八十四万株を所有しています。株式を含めない資産総額も十七億七千万円で全衆院議員中、トップでしたが、上場している株式を四月二十日の終値で計算し、加えると八十億円を優に超えます。

 自民党の堀内光雄総務会長の場合、前回、二〇〇〇年総選挙後の資産公開では、富士急行、東洋紡績など八銘柄、計百二十八万株の株式の額面総額約一億一千万円を含め、総資産額は一億八千万円でした。しかし今回、株式の額面価格が報告されなくなったため、約七千万円と半分以下になりました。

 所有している株・株数は変わっておらず、上場している株の実勢価格をざっと見ただけで、五億円の資産が隠れることになります。

 十九日の資産公開後、訂正を届け出る議員が相次いでいます。

 資産総額三億七千百十八万円で全衆院議員中、十一位だった亀井善之農水相もその一人。三菱重工、NTT、日立造船など十六銘柄、十八万二千六百二十一株を所有していると報告しましたが、一銘柄、千百株としていた株券の記載を削除しました。前回公開時より、「木徳神糧」株が約三万二千株減っていました。それでも、上場企業株の実勢価格を試算すると、三億円近くふくれあがります。

 資産公開は虚偽の記載をしても罰則の規定がありません。資産形成の透明性を高めるために、報告書に株の取引状況や配偶者、扶養親族名義の株式を記載する必要があります。

 国会議員の資産公開 政財官界に値上がり確実な未公開株がばらまかれたリクルート事件を契機に一九九二年十二月に議員立法で成立した資産公開法にもとづくもの。「国会議員の資産の状況等を国民の不断の監視と批判の下におく」と明記していますが、不動産は固定資産税の課税標準額が報告されるなど、実勢価格を反映したものではありませんでした。




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